オンライン診療、「受けたことある」のは約6% MMD調査
MMD研究所は11月30日、Web会議ツールや電話などを使って行う「オンライン診療」の受診経験者が約6%にとどまるとする調査結果を発表した。
MMD研究所は11月30日、Web会議ツールや電話などを使って行う「オンライン診療」の受診経験者が、20〜69歳の男女1万2517人のうち、約6%にとどまるとする調査結果を発表した。利用者からは「触診がなく不安」「対応の医療機関が少ない」などの声が集まった。
調査は10月15日から11月2日にかけてオンラインで行った。オンライン診療の認知度については、「知っている」と答えた人が33.4%、「名前は聞いたことがある」とした人が50.7%に上った。20代の認知度は80%を下回るが、60代は90%を超えるなど、年代が上がるにつれ認知度は上昇する傾向にある。
一方、オンライン診療を知っていると答えた人のうち、実際に診療を受けた人の割合は年代が上がるにつれ減少。20代男性が43.4%、女性が32.5%に上るのに対し、60代は男性が6.6%、女性が7.2%にとどまった。合計すると、オンライン診療の受診経験者は全体の6%となった。
オンライン診療を受けたきっかけとしては「感染予防のため病院に行きたくなかった」(38.9%)、「かかりつけ医がオンライン診療に対応していた」(31.8%)、「通院時間短縮のため」(29.0%)が上位を占めた。 メリットとしても「感染症のリスクが減る」(45.5%)、「待ち時間が短縮できた」(44.2%)などの声が多かった。
デメリットとしては「触診がないので不安だった」(26.8%)、「対応している医療機関が少ない」(24.9%)、「手数料が掛かる」(21.2%)などが挙がった。
オンライン診療は1997年から段階的に解禁され、2020年4月にはコロナ禍の特別措置として、初診患者も適用対象になった。政府は恒久化に向け制度設計を行っているが、医師や患者のなりすまし、一部医療機関への患者の集中などの懸念もあり、日本医師会は慎重な姿勢を見せている。
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