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新型コロナワクチンの流通網を狙う世界規模のフィッシング攻撃をIBMが警告

IBMが、新型コロナワクチンの配布に不可欠な「コールドチェーン」に関連する複数の企業を標的とする世界規模のフィッシング攻撃を確認したとして警鐘を鳴らした。攻撃の規模と精度から攻撃者は国家の可能性があるとしている。

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 米IBMは12月3日(現地時間)、新型コロナウイルス感染症のワクチンの配布に不可欠な「コールドチェーン」に関連する複数の企業を標的とする世界規模のフィッシング攻撃を確認したとして、警鐘を鳴らした。

 コールドチェーン(日本では低温流通体系と呼ばれる)は、ワクチンなど低温管理が必要な製品を安全に輸送するための物流方式。攻撃者の目的は、コールドチェーンに関するノウハウの収集とみられる。

 攻撃者は、中国の生物医学企業Haier Biomedicalの幹部になりすまし、9月からエネルギー、製造、Webサイト作成、ソフトウェアおよびインターネットセキュリティ関連の多数の企業の幹部や欧州委員会などにスピアフィッシングのメールを送りつけ、アカウントの資格情報を収集しようとしている。IBMによると、Haier Biomedicalは世界で唯一の完全なコールドチェーンプロバイダーという。メールの内容は、ワクチンプログラムへの参加の見積要求だ。

 ibm
IBMが紹介したフィッシングメール

 IBMは、攻撃者は特定できていないが、攻撃の規模と精度から、国家組織の活動とみている。ワクチンを安全・迅速に配布する方法は世界中の国家にとっての最優先事項のはずだとIBMは指摘する。

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