Microsoft、自社サーバやSurfaceシリーズ向けの独自プロセッサ開発か──Bloomberg報道
Microsoftが、Azureなどのクラウドサービス提供の自社サーバ向けにArmベースの独自プロセッサを開発しているとBloombergが報じた。オリジナルWindows端末「Surface」シリーズ向けプロセッサも開発している可能性があるとしている。
米MicrosoftがArmベースの独自プロセッサを開発していると、米Bloombergが12月18日(現地時間)、複数の情報筋の話として報じた。Azureなどのクラウドサービスを提供しているサーバ向けと、オリジナルWindows端末「Surface」シリーズ向けという。
プロセッサ設計部門はAzureの責任者、ジェイソン・ザンダー氏が統率しているという。Bloombergの取材に対し、Microsoftの広報担当者は「プロセッサはテクノロジーの基盤であるため、さまざまな分野で独自機能に投資すると同時に、複数のプロセッサメーカーとの協力を促進・強化している」と答えた。
Microsoftは現在、Azureサービスのサーバの大部分でIntelベースのプロセッサを採用している。SurfaceシリーズのプロセッサもほとんどがIntel製だが、10月に発表した「Surface Pro X」はQualcommと共同開発したArmベースの独自プロセッサ「SQ 2」を搭載している。
同社は11月、セキュリティチップ「Trusted Platform Modules」(TPM)の機能をCPUに統合するプロセッサ「Microsoft Pluton」のプロジェクトを立ち上げ、AMD、Intel、Qualcommと共同でPlutonを開発すると発表した。
MacシリーズにIntelのプロセッサを採用してきた米Appleも、Armベースの独自プロセッサ「M1」を発表し、2年かけてIntelのプロセッサから独自プロセッサに移行していくとしている。
米Amazon.com傘下のAWSも昨年12月、サーバ向けプロセッサを独自開発する姿勢を明らかにした。
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