AT&Tのナッシュビル施設爆破犯(63)は5G陰謀論者の可能性
テネシー州ナッシュビルのAT&Tの施設が被害を受けた大規模自爆の犯人は、“コンピュータオタク”の63歳の単独犯だった。FBIから聴取された関係者は、犯人が5G陰謀論を信じていたかどうか尋ねられたと語った。
米テネシー州ナッシュビルで12月25日午前5時半(現地時間)、大規模な爆発があった。
米(FBI)と地元警察が27日に行った共同記者発表で、犯人はナッシュビルの住人、アンソニー・ワーナー(63)だと発表した。爆弾を搭載したキャンピングカーによる犯行で、犯人は爆死した。現場に残った死体の破片でDNA鑑定し、ワーナーだと確定した。当局は単独犯だとしている。動機については捜査中。
この爆発で、現場近くの米AT&Tの施設があるビルが損傷して電力が断たれ、広範囲のネットワークがダウンした。この施設は、地域のネット、モバイルおよび有線の通話のハブになっており、AT&Tの発表によると、本稿執筆現在まだ完全には復旧していない。
地元警察の記者会見によると、発砲の通報で現場に行くと、駐車しているキャンピングカーから女性の声で爆発を警告する音声が流れ、その後爆発した。警官3人が負傷したが、犯人以外の死者は確認されていない。
地元紙Tennessianによると、ワーナーは不動産業者のITコンサルタントで、隣人は彼を「家で働くコンピュータギークでちょっと変わり者だった」と語ったという。
地元テレビ局WSMVによると、FBIはワーナーが5Gについての陰謀論を信奉しているかどうかを捜査しているという。ワーナーがコンサルをしていた不動産業者が、FBIに聴取されたとしてWSMVにそう語った。
FBIは記者会見で、なんらかのイデオロギーによるものかどうか捜査中だがコメントできないと語った。
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