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トランプ氏、中華系アプリの取引禁止する大統領令に署名 安全保障上のリスク踏まえ
米国のトランプ大統領が安全保障上のリスクを理由として、中国Alibabaグループが運営する電子決済サービス「Alipay」など8つの中華系アプリとの取引を禁止する大統領令に署名した。
米国のトランプ大統領は1月5日(現地時間)、安全保障上のリスクを理由として、中国Alibabaグループが運営する電子決済サービス「Alipay」など8つの中華系アプリとの取引を禁止する大統領令に署名した。執行まで45日間の猶予を設けている。
対象はAlipayの他、メッセージアプリ「QQ」や決済サービス「QQ Wallet」「WeChat Pay」(いずれも中国Tencentが運営)、「CamScanner」「WPS Office」「SHAREit」「VMate」の計8アプリ。
大統領令ではこれらのアプリに対し、「ユーザーを通じて、個人情報や機密情報を取得している」「中華人民共和国(PRC)と中国共産党(CCP)が米国人の個人情報にアクセスできる」などと指摘。「(その情報から)中国が米国政府の職員などの居場所を追跡し、個人情報に関する書類を作成している」とし、中国政府がアプリ経由で個人情報を入手していると懸念を示した。
中華系アプリを巡っては、トランプ大統領が2020年8月、動画共有アプリ「TikTok」を運営する中国ByteDanceや、コミュニケーションアプリ「WeChat」を運営する中国Tencentとの取引を禁止する大統領令を発令。しかし、いずれのアプリも米連邦地裁が執行を差し止めている。インド政府は200以上の中華系アプリの使用を禁止している。
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