TwitterのドーシーCEO、トランプ氏のアカウント凍結について11連投ツイートで語る
Twitterのジャック・ドーシーCEOが、ドナルド・トランプ米大統領のTwitterアカウントを永久凍結したことについて「この判断は正しかっただろうか?」と問題提起する連投ツイートを投稿した。
米Twitterのジャック・ドーシーCEOは1月13日(現地時間)、同社を含む多数のインターネット上のサービスがドナルド・トランプ米大統領をサービスから排除したことについて、長い連投ツイートで語った。「トランプ氏のTwitterアカウントを永久凍結したことについて、私は称えることも誇らしく思うこともない。Twitterは同氏に警告した後、入手した情報に基づいてアカウントの持続がTwitter内外での安全に対する脅威になると判断した。これは正しかっただろうか?」というのが最初のツイートだ。
「インターネットと世界規模の公共の会話は、人類の共通の理解と地球の平和構築のための最善かつ最適な方法だと信じている。だが、現在はそうなっていないことも認識している。われわれは今回学んだことに基づいて、改善していく必要がある」
「Twitterでアカウントを凍結することには重大な影響が伴う。アカウント凍結は、健全な会話を促進するためにならず、これはわれわれの失敗だと感じる。アカウント凍結は、公共の会話を分断し、われわれを分断する。説明や学びの可能性を制限することにもなる。個人や1営利企業が世界的な公共の会話に権力を持つ前例を作る危険性もある」
それでもこれまでは「ユーザーがTwitterの利用規約に納得がいかなければ、他のサービスに移行すればいいだけの話だった」が、「多数のインターネット上のサービス提供者が(共謀したことではないはずだが)一斉にサービス提供を拒否したことで、状況は変わった」とドーシー氏は語る。
Twitterだけでなく、Facebook、YouTube、Twitch、Snapなどがトランプ氏のアカウントを停止し、同氏や同氏の支持者が流入を受け入れたParlerは、同サービスにクラウドを提供していたAWSがサーバを停止したことで現在閉鎖に追い込まれている。
「今回のケースでは(暴力回避のために)この判断が必要だったかもしれないが、長期的にはオープンなインターネットの高貴な目的と理想を破壊することになるだろう。プラットフォーム上でモデレーターの役割を担う企業は、政府当局によるアクセス削除とは異なるが、ほぼ同等ととられる」
「われわれは、ポリシーと施行の矛盾を批判的に検討する必要がある。われわれのサービスがどのような害を引き起こすかを調べる必要がある。モデレートについての透明性をより高める必要がある」
ドーシー氏はそう語った後、突然Bitcoinに言及し、その理由は「これは個人やエンティティに制御されない基本的なインターネット技術を示すモデルだからだ」と説明する。
さらに、2019年に立ち上げた独立組織Blueskyに言及し、「われわれは、ソーシャルメディアのオープンな分散型標準に関するイニシアチブに出資することで役割を果たそうとしている。われわれの目標は、インターネットの公共的な会話の標準クライアントになることだ」と説明した。
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