フジと産経、世論調査を再開へ 2020年6月にデータの不正入力が発覚
フジテレビジョンと産経新聞が不正行為の発覚で中止していた世論調査を今月にも再開すると発表した。両社の担当者が調査に立ち会うなど、再発防止策を講じるという。
フジテレビジョンと産経新聞は1月15日、不正行為の発覚で中止していた世論調査を今月にも再開すると発表した。両社の担当者が調査に立ち会うなど、再発防止策を講じるという。
フジテレビジョンと産経新聞は「政治」をテーマに原則毎月1回、全国の有権者約1000人に電話で世論調査を実施してきた。しかし、20年6月に調査データの不正入力疑惑が浮上した。
第三者も加えた合同調査チームによると、2社が世論調査を委託していたアダムスコミュニケーション(東京都品川区)が正式な手続きを経ずに、調査の半分を日本テレネット(京都市中京区)に再委託していたことや、コールセンターの責任者が電話をかけたと偽り、事実とは異なる調査データを入力していたことが判明した。
不正は19年5月から20年5月までの調査14回全てで行われており、全体の12.9%にあたる1886件が該当。日本テレネットのオペレーターが実際に電話をかけて得た正規の調査票を基に、性別や年齢、居住地などを変えて調査票を水増ししていた。不正の発覚を避けるためにアダムスコミュニケーションに虚偽の架電リストを提出するなどの工作もしていたという。
不正を行った現場責任者は調査チームに対し、「オペレーターの人件費を削り、利益を増やしたかった」と説明している。
これを受け、フジテレビジョンと産経新聞は不正が判明した期間の放送と記事を全て削除。2社は今後、担当者が調査に立ち会うことや、全調査票のチェックの徹底、委託先の調査会社に対し調査の再委託の禁止や通話記録などの提出を求めるなど再発防止策を掲げた。
フジテレビジョンと産経新聞は「今回の世論調査不正を非常に深刻なものと受け止めている。不正防止策を徹底して実行し、視聴者と読者からの信頼を回復していきたい」としている。
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