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コルグの伝説的技術者、1973年のアナログシンセ名機「miniKORG 700」復刻を監修 「トラベラー」が時を超え、幻の音も実現

喜多郎のあの音色を生み出してきた往年のシンセサイザーが、当時の技術者のアドバイスを得て復活する。

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 コルグは1月18日、アナログシンセサイザー「miniKORG 700FS」を完全限定生産で6月に発売すると発表した。価格は未定。元になった「miniKORG 700」は1973年に発売されたモノフォニック(単音)電子楽器で、その暖かい音色は難波弘之、喜多郎、ヴァンゲリス、スティービー・ワンダーなど多くのミュージシャンに愛用されている。

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miniKORG 700FS
喜多郎がminiKORG 700FSと遭遇

 miniKORG 700FSの開発に当たっては、オリジナル版を設計したコルグの三枝文夫氏(現在は監査役)が直接アドバイスし、回路図にない部分まで再現したという。

 オリジナルのminiKORG 700は、同社が量産した最初のシンセサイザーで、国産のアナログシンセサイザーとしても最初期の製品。音色変化、音量変化のパラメーターは海外の先行製品とは異なる独自の解釈で実装した。特に「トラベラー」と呼ぶ音色変更機構は、ハイパスフィルターとローパスフィルターを組み合わせた独自のコントローラーノブを採用している。しかし復刻版ではそこに設けたハードウェア機構上のリミットを解除する新しいコントローラーノブに取り換えることが可能で、当時のユーザーがノブを削ることで実現した「幻の音」も容易に出せるようになる。

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右下のノブに交換すれば「幻の音」も可能
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特徴的なminiKORG 700FSの前面パネル
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miniKORG 700FSの背面パネル
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miniKORG 700FSにはハードケースが付属する

 miniKORG 700は音源が1個のシングルオシレーターだが、復刻版のminiKORG 700FSは1974年に発売された後継機miniKORG 700Sと同等のセカンドオシレーターを搭載。さらに、当時は組み込むことができなかったジョイスティック、スプリングリバーブユニット、アフタータッチ、アルペジエイターを内蔵。さらにMIDIインタフェース、音色メモリも搭載し、最新の電子楽器やPCにも接続できる。

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