オフィス空調をAIで一括管理 消費電力を約半分に 東京建物など3社が実験
東京建物など3社が、39台の空調機をAIで一括管理し、オフィスの室温を自動調節する実験を行った。その結果、消費電力を約半分に減らす効果が得られたという。
東京建物、TOKAIコミュニケーションズ、内田洋行は1月19日、複数の空調機をAIで一括管理し、オフィスの室温を自動調節する実証実験を行ったと発表した。フロアに65個のセンサーを設置し、取得した気温データを分析して39台の空調機を同時に制御したところ、消費電力を約半分に減らす効果が得られたという。
実験は夏期(7月27日〜8月31日)と秋期(10月5日〜11月27日)に分けて、東京建物八重洲ビル(東京都中央区)で行った。いずれもセンサーが取得したデータをクラウドに送信し、AIで分析。結果を踏まえて空調機を自動で操作し、室温を調整した。
夏期・秋期ともに、設定温度は24〜28度。夏期の実験では、AIが室温を一定に保つ効果を検証。秋期の実験では、面積が同程度の別フロアと、空調機の消費電力を比較した。
その結果、夏期の実験では、室温が設定温度から外れた場合、AI対応の空調機が元に戻すまでの時間は平均6.4分。手動で管理した場合の平均36.3分から短縮した。秋期の実験では、実験したフロアの消費電力は約200〜600kWhで、平均値は別フロアの約50%だった。
既存の空調機にもセンサーと通信して室温を調節する機種はあるが、空調機同士の連携には対応しないのが一般的だ。そのため、隣接する空調機が異なる設定温度を維持しようと干渉し合い、不要な電力消費が起きるケースがあるという。今回の実験にはこの課題を解消する目的があり、3社は結果を踏まえてオフィスの消費エネルギー削減を目指すとしている。
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