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触れてはいけない場所を赤く染めて警告 Microsoftの新型コロナ感染予防システム:Innovative Tech
Kinectの深度センサーを活用し、COVID-19感染の危険性がある場所を指し示す。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
米Microsoft Researchの研究者が開発した「Combating the Spread of Coronavirus by Modeling Fomites with Depth Cameras」は、顔に触れようとしたり、他人と握手しようとしたりする前にその動きを検知して警告する、新型コロナウイルス対策システムだ。ウイルス汚染の可能性がある場所をプロジェクションマッピングやARにより可視化できる。
深度カメラ「Azure Kinect」の深度センサーを使用し、複数人の身体の最大32カ所(頭部、骨盤、鼻、手、手首、足など)をボディートラッキングする。手と鼻の距離を計算して顔への接触を事前に検出できる。手と手の間の距離を計算し、握手しようとしている2人の動きも検出できる。これらの距離がしきい値を下回るとアラームが鳴り、警告する。
骨盤間の距離、平均関節位置、それぞれの任意の関節位置を計算することで、2人が適切なソーシャルディスタンスを維持しているかどうかも検出できる。適切な距離を下回ると部屋全体が緑色に光り、警告を発する。
ユーザーが手で触れた場所や歩いた地面などをプロジェクターで赤く投影し可視化するシステムも開発。スマートフォンやMRヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」では、汚染マップのAR表示もできる。
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