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机を叩いた音と振動で入力するリストバンド「Acustico」 Facebookなど開発Innovative Tech

プロジェクターを使わずに、物理キーボードなしでタイピングが可能に。

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Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 Facebook Reality Labsとダートマス大学の米研究チームが開発した「Acustico」は、テーブルなどの表面を指で叩いた際のタップと位置を特定する手首装着型デバイスだ。

 テーブルなどには装置を置かず、手首に装着するリストバンドのみで検出するシンプルな仕組み。表面を指で叩くと、表面に沿って伝達する振動「表面波」と、同時に空気中へ伝達する振動である「音波」が発生する。この2つの波をリストバンドに搭載した加速度センサー2個とマイク2個で捉え、それぞれの波を分析することで、タップ検出と位置特定を行う。

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プロトタイプの外観

 タップ検出は、あらかじめ設定されたしきい値を超えた場合にのみ認識する。このとき、表面波と音波の両方を活用するため、ノイズ環境でも精度を高く保てるという。例えば、騒音環境下では識別できないマイクを加速度センサーが補い、手の動きによって発生する誤検出を音波が補うことで精度を高めていると研究チームは説明している。

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表面をタップした際の表面波と音波を捉え計算することで、タップを検出する

 タップ位置の特定には、波が複数のセンサーへ到達する時間の差異を分析することで位置を特定する手法である「Time Difference of Arrival」(TDOA)を活用する。

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(a)横軸に沿った2回のタップ(b)縦軸に沿った2回のタップ

 評価実験では異なる環境ノイズの中でもほぼ確実にタップを検出し、高い位置精度を得る結果を示したという。PCのマウスとして使用する、電卓やゲームをテーブルにAR表示してタップ操作するなどの応用例を紹介している。

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テーブルの上で指を動かしマウス操作している様子
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AR電卓をタップしている様子

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