望遠レンズの圧縮効果と広角レンズの遠近感、伝えたいことが伝わる使い方:荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/3 ページ)
望遠レンズで人混みを撮るのは望遠の“圧縮効果”による演出だってんでちょっと燃えたのが記憶に新しい。今回はカメラ初心者向けの広角と望遠の話。
以前、ITmediaのカメラレビュー用作例として撮った中からピックアップ。
1枚目は24mm相当で「EOS M6」で撮影したもの。緩くて長い階段の上で、遠近感を強調するために少し俯瞰(ふかん)で撮ってみた。
2枚目は同じくEOS M6で180mm相当。こちらは正面から。
どちらもバストアップになるよう撮影距離を調整している。望遠の方は背景のビルがすぐ後ろに迫ってる。
主な違いは3点。
1つは広角の方が背景が広く写り、望遠の方が背景が整理されてスッキリすること。
1つは広角より望遠の方が背景が大きくボケて被写体と背景が分離すること。
1つは顔と体のバランスと顔の形が違うこと。
広角は遠近感が強く出るので顔に立体感が出るし、少し上から撮ったことで体に比べて顔も大きく写る。望遠だと顔と体のバランスがすごくフラットで顔の形もきれいに出る。
望遠の方が形がきれいに出るので、顔やスタイルを綺麗に撮りたいなら望遠気味で撮った方がいい。一般に70〜90mm相当くらいの中望遠レンズがポートレート用とされているけど、姿形がきれいに出て背景をぼかして被写体を目立たせることができるからだ。
でも近寄って広角で撮ると親近感が出る。それはそれで写真としておもしろくなる。
望遠レンズの圧縮効果の話が流行ったのを受けて、広角レンズと望遠レンズの写りの差の話をしてみた。この辺を意識して、伝えたいことが伝わるよう使い分けてもらえれば良いかと思うし、逆に写真を見るときにどういう狙いでどういうレンズで撮ったのか意識するとまた面白いのである。
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