Google、倫理的AIチームに代わる新チームとその黒人女性リーダーを発表
Googleは、Google AIの倫理的AIチームに代わる「責任あるAIに関する新専門知識センター」の設立と、そのリーダーにマリアン・クローク博士(黒人女性)を指名したことを発表。同社は昨年12月、倫理的AIチームの共同リーダー、ティムニット・ゲブル博士(黒人女性)を解雇した。
米Googleは2月18日(現地時間)、研究部門Google Researchに新設する「責任あるAIに関する新専門知識センター」のリーダーにマリアン・クローク博士を任命したと発表した。クローク氏はGoogle AIのトップ、Google Senior Fellowのジェフ・ディーン氏直属になる。
これについて、昨年12月に解雇されたEthical(倫理的)AIチームの元共同リーダー、ティムニット・ゲブル博士は自身のTwitterで、「黒人女性をリーダーとする新組織の発表は、まるでわれわれが交換可能だと言っているようだ。私のチームに嫌がらせをし、怖がらせ、ガスライティングしながら、危害を加えたことをまったく認めず、修正もしないのはガスライティングを超えている」とツイートした(ガスライティングとは映画「ガス燈」由来する心理的虐待のこと)。
倫理的AIチームのもう1人の共同リーダー、マーガレット・ミッチェル博士は自身のTwitterで、新チーム開設について報じた米Bloombergの記事に「これで知りました。信頼を再構築してよかったですね。私は完全に消されて、私のチームは連れ去られたようだ」というコメントを添えてツイートした。
米Axiosによると、Googleはゲブル氏の解雇について調べていたミッチェル氏を社内情報からブロックしているという。
クローク氏は発表文で「AIに関する規範を標準化することについては多くの意見の相違や対立があり、時には二極化する可能性がある。私がやりたいのは、今よりも良い方法で会話し、この分野を前進させていくことだ」と語った。
関連記事
- Google、賃金格差のあった女性やアジア系エンジニアに総計約260万ドル支払い
Googleは、女性や非白人従業員の賃金差別に関する申し立てで米労働省と和解する条件として、5500人以上の従業員と求職者に総計約4億円を支払う。 - Googleを解雇されたAI倫理研究者が指摘していた「大規模言語モデル」の危険性
AI界隈で一目置かれているGoogleの倫理的AIチームリーダー、ティムニット・ゲブルさんが突然解雇されたとツイート。ゲブルさんは黒人女性ですが、発表しようとしていた言語モデルの問題点についての論文が原因のようです。 - AIを「悪の手先」にしないためにGoogleが取り組んでいること
Googleが「AIの倫理原則」を発表して約1年。医療、自然保護、災害対策などでのAI活用の今を紹介するイベントに行ってきました。伝説のGoogleフェロー、ジェフ・ディーン氏が司会という贅沢。 - GoogleはAI倫理の多様性のために「多様性の敵」を取り入れるべきか
AIの先端を行くGoogleが、自社のAIの取り組みについて監視・アドバイスしてもらう第三者諮問委員会を立ち上げ、わずか10日後に解散。何があったのか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.