AIがヒット曲を量産? 人気曲の特徴を学習、メロディやコード進行を自動生成するアプリ登場
AIがオリジナル楽曲を自動で生成する音楽アプリ「FIMMIGRM」の提供を、テクノロジーを活用した音楽プロデュースを手掛けるスタートアップのTMIK(東京都渋谷区)が始めた。
テクノロジーを活用した音楽プロデュースを手掛けるスタートアップのTMIK(東京都渋谷区)は2月22日、AIがオリジナル楽曲を自動生成する音楽アプリ「FIMMIGRM」(フィミグラム、iOS、無料)の提供を日本、中国、韓国で始めた。
フィミグラムはAIがオリジナルソングの作曲や、撮影した写真や動画にエフェクトをかけられるアプリ。ディープニューラルネットワークの技術を活用してAIにヒットソングの特徴を学習させ、さまざまなパターンのメロディやコード進行を無限に生成できる。
現在のバージョンでは、1フレーズ(8小節)のメロディーを生成できる。生成したメロディはMIDIデータとしてダウンロードできる。
専用アプリ上でユーザーが「AI COMPOSEボタン」を押すと、AIが新しいメロディを生成。「SONGボタン」でBPM(速さ)やピッチ(高さ)も調整できる。中高生に使ってもらえるよう動画撮影機能やカメラフィルター機能も搭載。歌う様子や演奏の様子の撮影に加え、画面のスワイプで動画にエフェクトをかけられる。アプリ内で作成したミュージッククリップはそのままSNSで投稿できる。
気に入ったサウンドはアプリ内に保存したり、WAVとしてダウンロードすることも可能。アプリ内のAIが生成した音楽の権利はユーザー自身に帰属するという。
アプリはiOS 13以降に対応。Android版アプリやPCへの対応についてTMIKの広報担当は「アプリの利用状況を見て、検討する」と回答した。同社は「今後、さらなる精度の向上やユーザーがカスタマイズ可能な生成方法を機能として追加していく」としている。
「音楽とAIの融合」をテーマにアプリの開発は2018年からスタート。アプリの監修はYUKIさんやJUJUさん、中島美嘉さんなどのプロデュースを手掛けた音楽プロデューサーの玉井健二さんが担当した。
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