WebブラウザのBrave、独自検索エンジン「Brave Search」構築に向けてTailcat買収
Webブラウザ企業Brave Softwareが、ユーザーを追跡しない独自検索エンジン「Brave Search」を発表した。オープンソースの検索エンジン「Tailcat」を買収してこれを基盤とし、Braveブラウザや他のブラウザで使えるようにする計画。
米Brave Softwareは3月3日(現地時間)、独メディア企業Hubert Burda Mediaが保有するトラッキングしないオープンソースの検索エンジン「Tailcat」を買収し、独自検索エンジン「Brave Search」の基盤とすると発表した。
「Braveのブラウザと検索エンジンは、ユーザー追跡に依存するGoogle ChromeとGoogle検索に代わる業界初の独立したプライバシー保護手段を構成する」と意気込む。
Webを無料で使えるのはGoogleを含む多くの関連企業が広告収入に依存しているからだが、これらの企業がターゲティング広告のためにユーザーデータを収集しているとして、近年批判が高まっている。Googleはユーザーデータを複数の企業で共有することになるサードパーティーcookieを来年完全に排除する計画で、同日それに代わる「FLoC API」のテスト開始を発表した。
Brave Searchは、ユーザーを追跡したりプロファイリングしたりしない。広告非表示の有料検索と広告表示の無料検索の2つから選択できる。表示する広告は、Braveブラウザと同様に、プライベート広告を使う計画だ。
完成したら、Braveブラウザで選択できる検索エンジンの1つとして提供するだけでなく、他のブラウザでも使えるようにする。
BraveのMAU(月間アクティブユーザー数)は過去1年で1100万人から2500万人以上に増加した。元MozillaのCEOでBrave創業者のブレンダン・アイクCEOは、「Braveの使命は、ユーザーを最優先することであり、プライバシーを保護する検索エンジンをプラットフォームに統合することは、ユーザーが略奪されないようにするために必要なステップだ」と語った。
Braveは現在、Brave Searchのアーリーアクセスのウェイティングリストを公開中だ。
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