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防災ラジオライトを20年製造してきたメーカーが「手回し充電」を廃止 理由はスマホ

スターリングが防災用ラジオライト2機種を発表。定番の「手回し充電」(ダイナモ発電)を廃し、アルカリ乾電池でスマートフォンなどを充電する仕様に変えた。

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 スターリング(大阪府大阪市)は3月11日、防災用ラジオライト2機種を発表した。定番だった「手回し充電」(ダイナモ発電)を廃し、アルカリ乾電池でスマートフォンなどを充電する仕様とした。


約100lm(ルーメン)の明るいライトを搭載した「STP-748」

 スターリングは「2004年ごろの携帯電話は600mAh程度の電池容量だったが、現在のスマートフォンは3000mAhクラスがほとんど。容量は約5倍になった」と指摘。手回し充電ではスマホの電池残量を1%上げるのに相当な時間と労力がかかるが、アルカリ乾電池を複数本使えば平均3分で1%上昇するという。

 アルカリ乾電池の推奨使用期限が10年に延びたことも後押しした。1990年代のアルカリ乾電池は3年だった。

 新製品の「STP-748」は4本の単三形アルカリ乾電池を入れ、ケーブルをつなぐとスマートフォンを充電可能。スターリングの検証によると、空のバッテリーを23%まで回復させるのにかかった時間は1時間半。一方、従来機の手回し充電では5時間45分かかり、約8万2000回もハンドルを回さなければならなかった。


空のバッテリーを23%まで回復させるのにかかった時間を比較

前面スピーカーや局メモリーなどラジオ機能を強化した「STP-652」。スマホ充電にはアルカリ乾電池3本を使用する

 新製品の発売は4月16日。価格は約100lm(ルーメン)の明るいライトを搭載したSTP-748が5500円、ラジオ機能を強化した「STP-652」が1万1000円(いずれも税込)。

 ただし手回し充電にも一定の需要があるとして、従来型ラジオライトも併売する方針だ。

 スターリングは1965年設立の輸入総合商社(旧称:山谷貿易)。当初はアウトドアグッズとしてラジオライトを取り扱っていたが、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに防災用品として注目を集め、以後はオリジナル商品の開発に力を入れている。

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