創業2年半でユーザー数3000人超 ノーコード×AI開発の「MatrixFlow」が考える“真のAI民主化”とは:マスクド・アナライズの新弟子入門!(3/3 ページ)
2018年の設立から現在までで3000人超のユーザー数を抱える他、インテリアのEC事業「LOWYA」などを手掛けるベガコーポレーションから1億円の資金調達を受けるなどの成長を見せているMatrixFlow社の田本社長に、ノーコード×AIの未来を聞きました。
AIブームの落ち着きは「ビジネス的にプラス」
マスクド コロナ禍やDXの隆盛もあり、AIというトピックがハイプ・サイクル上の「幻滅期」に差し掛かったようにもみえます。そんな中での今後の展開について教えてください。
田本さん 個人的な印象ではありますが、自社に寄せられる問い合わせも夢見がちと言うか、AIでは無理があるような要望を挙げる人は減ってきました。むしろ幻滅期を迎えたことはビジネスにおいてプラスだと考えており、これからが本当にAIでやるべきこと、AIをやりたい人が真摯に向き合える時代になったといえるでしょう。
マスクド 「夢見がちなAIによる失敗」といえば、この画像で話題になった「AI開発ミステリー」の記事も2年半前です。
田本さん もうそんなに前なんですね。
エンジニアから経営者になって分かった「他人に頼ることの大事さ」
マスクド 田本社長は起業前からSNSなどで積極的に情報発信されており、今でも変わらず使いこなしています。スタートアップの経営者として、SNSでアピールするメリットやデメリットなど感じていることはありますか?
田本さん やはりメリットの方が圧倒的に大きいです。起業直後に支援してくれた方々はTwitterで知り合っていますし、エンジニアの採用コストがほぼゼロだったのもTwitter経由でスカウトできたおかげです。
SNSで私をフォローしてる人は私自身に近い属性なので、そちらに向けて簡単にリーチできるのは強みですね。最近ではSNSでつながった人とClubhouseで話をしながら親交を深めています。
経営者となった立場で思うことは「人脈はばかにできない」ということです。実際に多くの人に助けられましたし、自分から積極的に動いて多くの人に知り合うこともできました。
エンジニアだった頃は自分ができることしか見えず「自分ならできるのになぜ他人はできないのか」とばかり考えていました。しかし個人の力でできることは限られており、皆で協力することで視野も一気に広がりました。エンジニアから起業する人には「困ったときは誰かに頼って助けてもらうべき」と言いたいです。
正直に「困った」と言えば誰かが助けてくれますし、助けてくれる人がいると覚えておくのはいいことです。誰かに助けてもらうのは、決して恥ずかしいことではありません。
社員やパートナーに助けてもらいながら、社是である「テクノロジーで世界を作る」に向けた第一歩としてMatrixFlowの開発を続けていきたいです。
筆者は個人的に、田本社長のことは起業前から、AIやデータサイエンス分野での活躍ぶりで知っていました。個人開発からオープンソースとして公開したツールで起業し、一エンジニアから経営者となったことで、より大きな将来の目標に取り組めるようになったのだと、本取材で感じた次第です。
エンジニアマインドと経営者マインドを併せ持った田本社長が、ツールとしてのMatrixFlowや会社としてのMatrixFlowをどう伸ばしていくかに注目です。
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