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AIが自動ドアの開閉スピードを自動調節、車いす利用者の通行を容易に
NECソリューションイノベータが、画像認識AIを活用して自動ドアの開閉スピードを調節する実験を、聖マリアンナ医科大学病院で始める。車いす利用者を確認したときに開閉を遅くし、ケガや障害のある人でも通行しやすくする。
NECソリューションイノベータ(東京都江東区)は4月12日、画像認識AIを活用して自動ドアの開閉スピードを調節する実験を、聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県川崎市)で始めると発表した。車いす利用者を確認したときに開閉を遅くし、ケガや障害のある人でも通行しやすくする。
エントランスにカメラ付きの自動ドアを設置。撮影した映像をAIが分析する。車いす利用者を検出したときには自動でドアの開閉を遅くする他、開いている時間を長くする。ドアにはデジタルサイネージも搭載しており、AIが車いす利用者を検知すると「車いすの方が前方にいらっしゃいます」といったメッセージや、バスの時刻表などを表示する。
聖マリアンナ医科大学病院では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、エントランス付近で来院者の検温を行っている。しかし、これにより入り口で混雑が発生しやすくなり、車いす利用者が通行しにくくなっていたことから、NECソリューションイノベータと協力して実験を行うことを決めたという。
実験は4月19日から6月30日にかけて行う。カメラが集めたデータは、AIによる分析後に破棄する。NECソリューションイノベータは今後、ベビーカーや松葉づえを使っている人も判別できるよう、AIの改良を進めるとしている。
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