ソフトバンク、プロ野球の動画配信に“バーチャル広告”表示 DAZNなどで開始
ソフトバンクがDAZNなどで配信される福岡ソフトバンクホークスの試合に「バーチャル広告サービス」を提供すると発表した。日本のプロ野球中継に導入されるのは初めて。3月26日の開幕戦から試験的に導入しており、本格導入となる。
ソフトバンクは5月7日、スポーツ中継の映像に広告の画像を重ね合わせ、実際の看板広告などと並べて表示する「バーチャル広告サービス」を発表した。導入対象は福岡ソフトバンクホークス主催試合のみ。DAZN、ベースボールLIVE、パ・リーグTVで視聴した際にバーチャル広告が表示されるという。
ソフトバンクの映像運用センターで映像処理を行い、表示する仕組み。映像配信ツールを手掛けるノルウェーVizrt製の「Eclipse Insertion」とソフトバンクの映像伝送システムを組み合わせた。同球団では3月26日の開幕戦から試験的に導入していた。
これまでスポーツの試合中継で広告を常に表示するためには、会場内に実物の看板を設置する必要があったが、バーチャル広告ではシステム側で中継映像にデジタル広告を挿入して配信するため、従来のような看板の設置が不要になる。
デジタル化で広告の差し替えが容易になり、複雑な広告デザインでも表示できることから、ソフトバンクは「広告主は季節やキャンペーンに合わせて視認性の高い広告をタイムリーに配信するなど、スピーディーかつ自由度の高い運用が可能」としている。また、イベント主催者にとっては、従来では看板の設置が困難だったスペースを新たな広告スペースとして活用できるため、「収益機会の拡大につなげることができる」ともしている。
ソフトバンクはバーチャル広告の配信サービスを順次拡大するとともに、プロ野球中継以外の分野への導入や、海外向けの動画配信での展開も検討している。
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