日本のQRコード普及、海外に遅れ コロナ禍で利用場面拡大も
日本でのQRコードの普及は、欧米や中国に比べて遅れている実態が米Ivantiの調査で見えてきた。欧米や中国ではQRコードを使ったことがあると答えた人が約70〜90%に上ったが、日本では約60%にとどまったという。
日本でのQRコードの普及は、欧米や中国に比べて遅れている──IT資産の管理サービスなどを手掛ける米Ivantiの調査で、こんな実態が見えてきた。欧米や中国ではQRコードを使ったことがあると答えた人が約70〜90%に上ったが、日本では約60%にとどまったという。
調査は2021年2月に実施。QRコードの使用状況や意識について、米国や英国、ドイツ、フランス、中国、日本の男女4157人(18〜60歳)から回答を得た。
「QRコードを使用したことがある」と答えた人は英国が約91%、中国が約89%、米国/フランス/ドイツがいずれも約70%を超えているのに対して、日本は約62%と調査対象の中で最低となった。
支払いや金融取引の場面でQRコードを使用したことがある人は、キャッシュレス決済の普及が進む中国が約86%とダントツ。一方で、米国は約21%と低調な結果に。この結果についてIvantiは「クレジットカード社会のため、金融取引でのQRコードの使用率は低くなった」と考察している。日本は約50%だった。
「過去12カ月でQRコード決済が使用できる場所が増えたと感じるか?」という質問には、「とても増えた」「増えた」「やや増えた」と回答した人が北米を除く調査対象国全てで60%を上回った。Ivantiは「コロナ禍でQRコードの使用場所が拡大した」と分析している。
今後の展望について、「将来QRコードの使用が拡大してほしいと思うか?」という質問に「とてもそう思う」「そう思う」と回答した人の割合は、米国が約40%以上、英国と中国が約70%、フランスとドイツが約60%弱で、日本は約39%と最も低い結果だった。
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