両親のワクチン接種をリモート予約した話
65歳以上の人へのワクチン接種が始まったが、「予約がとれない」「電話がつながらない」と不評だ。不満たらたらの両親に代わり、東京からネット予約をすることにした。
地方自治体主導のワクチン接種が4月に始まり、「予約がとれない」「電話がつながらない」と話題になっている。実家のある自治体も例外ではなく、初回の予約受付はかなり不評。不満たらたらの両親に代わり、東京からネット予約をすることにした。
最初に状況を把握する。父親によると、地元自治体が予約受付を始めた日にネット予約に挑戦したものの「日付を選んだところでエラーが出て先に進めなくなった」という。接種券番号や生年月日の登録は済んでいた。
ただ「予約者の追加登録」はしていなかった。予約者を追加すると1度の作業で2人分の予約ができる。両親は一緒に接種会場へ行くつもりでいたため、自治体の予約受付が始まる数日前に一度ログインし、追加登録を済ませることに。混雑する予約当日の作業は少ないほうがいい。
追加登録のフォームには「10桁の接種券番号を入力してください」という内容の説明があった。接種券番号は16桁だが、複数のブロックに分かれていて、1ブロックを除けば10桁になる。これが罠だった。
最初のブロックを省略して入力するもエラー。末尾のブロックを省いてもエラー。
困っていると、横で見ていた妻がスマホを取り上げ、あっさり登録を完了した。「説明を無視して16桁そのままコピペしたら行けた」という。その発想はなかった。
結局、間違っていたのは説明文の方だった。誤って書いたのか、書いた後にシステムの仕様変更があったか分からないが、粗削りなシステムという認識で間違いなさそうだ。
2人同時接種のリスク
今回は両親が同時にワクチンを接種する前提で予約したが、二人暮らしの場合にはリスクもある。ある医療関係者は「夫婦2人暮らしの場合、接種時期をずらさないと、同時に体調が悪くなったときに看病や生活に支障が出る」と話していた。
ワクチン接種後に副反応として体調が悪くなる人は多い。その医療関係者も接種後にひどく体調が悪くなり、「とくに2回目の(接種の)後がひどかった」とも。
離れて暮らす祖父母や両親の接種予約では、時期をずらすことも提案したほうが良さそうだ。
2回線体制で予約
予約受付の開始当日はPCとスマホを用意した。自宅の光ファイバーと4Gの2回線体制で臨む。インターネットの経路は複雑で、どこが混雑するか分からない。迂回路を用意するのは人気商品やライブチケットの予約では常識だ。
まもなく予約開始時刻という時、PCに異変が現れた。予約サイトの動きが重い。予約希望者が殺到しているのかもしれない。
すぐにスマホに切り替え、ログインし直す。こちらは問題なく動いた。
開始時刻になった。作業は順調に進んだが、最終段階でトラブル発生。カレンダーから接種日時を指定し、確認画面に移る際にエラーが出た。前回、父親が遭遇したというエラーはこれかもしれない。
しかし、よく見るとエラーのダイアログの後ろに確認画面が表示されているようだ。フリーズしたように見えて、実は動いているというのはPCでも良くあること。試しにダイアログを消すと、処理中を示すサークルがくるくる回った後、予約の確認画面が出てきた。
最後の「確認」ボタンを押して予約完了。同様に2回目の接種予約も行い、受付開始から5分後にはミッションクリアとなった。
ただ、スムーズだったかと聞かれれば首を傾げざるを得ない。スマホやPCの操作スキルというより、オンラインサービスやトラブル回避の経験が求められた印象で、お年寄りには少し酷だと感じた。
ワクチン接種日時や場所を記した予約票は予約システムの「マイページ」でいつでも確認できる。しかし今回はあえてPDFで出力した。
近所のコンビニでネットプリントし、実家に郵送する。これで両親が再び予約システムに触れる必要はなくなった。
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