富士通製ツールへの不正アクセス問題 加藤長官「関係業務への支障ない」
富士通製のプロジェクト情報共有ツール「ProjectWEB」が不正アクセスを受け、国土交通省や外務省などで情報が流出した問題について、加藤勝信官房長官は「現時点で流出した情報が悪用されたり、政府システムへの不正アクセスなどの被害は確認されていない。関係業務への支障も生じていない」と説明した。
富士通製のプロジェクト情報共有ツール「ProjectWEB」が不正アクセスを受け、国土交通省や外務省、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)などの情報が流出した問題について、加藤勝信官房長官は5月27日の記者会見で「現時点で流出した情報が悪用されたり、政府システムへの不正アクセスなどの被害は確認されていない。関係業務への支障も生じていない」と説明した。富士通側には迅速な調査や報告を求めるとしている。
報道陣からは、富士通側の情報公開が遅かったのではないかとの指摘が出た。これに対し、加藤長官は「富士通は漏えいが確認された顧客に対し、個別に対応していた」と説明。政府との情報共有の体制については「NISCを通じて富士通に原因や不正アクセスにより漏えいした情報の詳細の報告を求めている」という。
「同様の事態が発生した際の、政府への報告体制の構築に向けても検証し、迅速にNISCにも報告されるよう、必要があれば適宜指導していきたい」(同)とした。
官公庁から情報が流出した点については「必要な対策を講じた上で、全体として、どんな対策が必要か、しっかりと検証していきたい」と述べるにとどめた。
富士通製ツールへの不正アクセスの問題では、26日、国土交通省で職員のメールアドレス7.6万件の情報流出などが確認されている。
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