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ソフトバンク、人工衛星で宇宙・成層圏から通信ネットワーク展開へ 米スタートアップと協業
ソフトバンクは6月9日、宇宙空間や成層圏から通信ネットワークを提供するサービスの展開を目指し、衛星通信事業を手掛けるスタートアップの米Skylo Technologiesと協業すると発表した。
ソフトバンクは6月9日、宇宙空間や成層圏から通信ネットワークを提供するサービスの展開を目指し、衛星通信事業を手掛けるスタートアップの米Skylo Technologiesと協業すると発表した。Skylo Technologiesやソフトバンク子会社の技術を活用し、地上での基地局整備が難しい地域にも通信ネットワークを提供できる仕組みを整える。
Skylo Technologiesは地上3万6000kmに位置する静止衛星を利用した、IoT機器向けのナローバンド通信サービスを2020年からインドで提供している。ソフトバンクはこれに加え、21年5月から協業している英OneWebの低軌道衛星を活用した衛星通信技術や、子会社のHAPSモバイルが提供する成層圏に通信基地局の機能を持つ無人航空機を飛ばす技術を活用。これまでインターネットと接続できなかった場所の通信環境を整えていくとしている。
サービスの開始時期は未定。ソフトバンクは現在の状況について「各社それぞれ実験などを進めているところ。サービス開始まではソフトバンクが中心となって顧客への提案を進めていく」としている。
人工衛星を活用したネットワークの構築を巡っては、KDDIも19年2月から米Iridium Communicationsのサービスをベースにした衛星通信サービスを海運業界向けに提供している。
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