商品バーコードをスマホで読み取り、支払いは無人レジで イオンの「レジゴー」使って分かった魅力と課題(2/2 ページ)
スマートフォンで買いたい商品のバーコードを読み取り、かごの中へ。支払いは専用の無人レジで行う――全国イオンリテールは2020年3月からこんなシステムを導入している。実際に記者が体験し、疑問点や導入後の状況についてイオンリテールに聞いた。
レジ待ち時間ゼロ、ほぼ非接触で支払いまで完了
記者が利用したイオンでは、食品売り場の入り口にスマホ置き場があった。スマホを借り、画面上のスタートボタンを押してすぐ買い物を始められた。商品をスキャンするとき、バーコードの向きは関係なく、読み取り速度にストレスを感じることもなかった。
画面にはスキャンした商品や合計金額が表示され、確認しながら買い物ができて便利だった。記者は土曜日の夕方に買い物をしたため、通常のレジは数人待ちとやや混雑していたが、レジゴーでは並ぶことなく支払いを済ませられた。
また専用レジの操作パネルは押したいボタンに指先を近づければ反応するため、画面を直接触る必要がなかった。買い物の間に記者が触れたのは、買いたい商品と消毒済みの貸し出し用スマホ、買い物カート、かご、そして支払いに使ったSuicaカードとレシートだけ。レジで従業員と対面することもなく、貸し出し用スマホを返却して店を出た。
レジゴーを体験してみて、純粋に楽しかった。商品棚の間を歩いて商品を自分でスキャンする買い物は、従来の有人レジやセルフレジで流れ作業的に合計金額を算出するのとは違い、最初から最後まで一品一品お金を払って買い物をしている実感があった。
スキャン時やクーポン利用時には面倒な点も
使ってみて不便と感じた点もあった。一つは商品をスキャンするたびに、スマホ画面の「スキャン」ボタンを押す必要がある点だ。いくつも商品を買う場合は面倒になると感じた。イオンリテールによれば、スキャン画面のままだと買う予定のない商品を誤ってスキャンしてしまう可能性があるため、今後も引き続きこの形式を続ける方針という。
もう一つが、酒類の購入やクーポンの利用時は、従業員の確認が必須な点だ。スキャンから支払いまで利用者自身が行える仕組みでも、確認が重なれば混雑するかもしれない。しかしこちらも、酒類の提供時には確認が必要と法律で定められていることから、このやり方を変更する予定はないとしている。
一方で、さらなる利便性向上のため導入を検討している機能もある。「今後さらにキャッシュレス化が進むと予想し、利用者自身のスマホを使う場合は、レジに行かずスマホ内で決済できる機能の提供を検討している」(同社)
ちなみに記者は当初、レジゴーを使った買い物では1点だけ商品を買うつもりだった。しかし実際に使ってみるとワクワクしてしまい、野菜やお菓子など余計な買い物もしてしまった。確かに面倒な部分もあるが、目新しさを抜きにしても、買い物が楽しくなるという効果があるかもしれない。
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