ブロックチェーンとAIで版権保護プラットフォームも展開
先んじてアントチェーンは、「チャオザオ」という、ブロックチェーンとAIテクノロジーを活用したデジタル版権保護プラットフォームを展開している。カササギが穴をあけるという意味らしい。オリジナル作品の制作や配信や権利保護や収益保証を行うサービスだ。
このチャオザオ登場の背景には画像の盗用があった。多数のショップが他のサイトの商品写真を無断で拝借していたり、デザインを拝借する状況が続いていた。それまでもデザインの盗用に対して抗議することはできるにはできたが、証拠集めなど人手がかかり、これまで1枚の画像について800元、版権を確認するまでに30日かかった。それがブロックチェーンによるチャオザオ導入で自動化され、金銭的時間的コストの大幅カットが実現できたわけだ。
2021年4月にアップデートされた最新版のチャオザオによれば、版権登記費用は1元で、海外進出もサポートしたそうだ。またサービス利用者は100万人を突破し、5000万を超える作品が登録され保護されているという。今後はYouTubeやFacebookやInstagramやSoundCloudと提携する阜博集団と提携し、中国発の正規版コンテンツの販売を海外に展開していくという。今後ゲームやアニメのように中国デザインを海外で日本でじわじわと見ることになりそうだ。
- アントチェーンのブロックチェーンの導入事例と取り組み
2016年7月 | アリペイを通して行う募金にブロックチェーンを活用し、各募金の行き先を追跡 |
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2016年10月 | 世界初のブロックチェーンを導入したメールサービスをリリース |
2017年3月 | ソフトウェア企業「普華永道」と提携し、ブロックチェーンを利用して輸入商品のサプライチェーンを透明化 |
2017年8月 | 健康関連製品を扱うアリババの「阿里健康」と江蘇省常州市が「医療+ブロックチェーン」のモデルプロジェクトで協力 |
2017年11月 | アリババの越境EC「天猫国際」で扱う粉ミルクをはじめとした商品をブロックチェーンで追跡できるように |
2018年6月 | 香港のAlipayHKとフィリピンの電子マネーGCashとの送金のやりとりにブロックチェーンを適用 |
2018年9月 | 復旦大学附属華山医院が電子処方箋にブロックチェーンを活用 |
2018年9月 | 杭州のインターネット裁判所にブロックチェーンを導入。後に北京などでのインターネット裁判所でも導入 |
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