名探偵コナンの「蝶ネクタイ型変声機」が現実に? IPA、ささやき声に対応する“ウェアラブル音声変換機”の開発を支援
情報処理推進機構(IPA)はITを活用したビジネスのアイデアや製品を募る「未踏アドバンスト事業」で、ささやき声を別の声に変換したり、音声翻訳したりできるウェアラブル端末の開発プロジェクトなど7件を採択した。
情報処理推進機構(IPA)は7月5日、ITを活用したビジネスのアイデアや製品を募る「未踏アドバンスト事業」で、ささやき声を別の声に変換したり、音声翻訳したりできるウェアラブル端末の開発プロジェクトを採択した。プロジェクトを手掛ける中村泰貴さんと上田陽太さん(東京大学大学院情報理工学系研究科)の2人に契約金1000万円で開発を委託。製作に向けたアドバイスなどを提供する。
プロジェクト名は「自分の声を自在に操るウェアラブル音声変換機の開発」。ささやき声でも音声変換・音声翻訳できるシステムを開発し、ウェアラブル端末に組み込むという。中村さんは製品のイメージについて、漫画「名探偵コナン」に登場する「蝶ネクタイ型変声器」や「ドラえもん」に登場する「翻訳こんにゃく」を目指すとしている。
中村さんらによれば、音声変換・音声翻訳はエンターテインメントなどの分野で活用が見込める一方、対面している状態では変換・翻訳前の音声が相手に伝わる可能性があり、秘匿性に欠けるという。そこでよりささやき声に対応したシステムを作ることで、対面時でも会話の秘匿性を保つとしている。
プロジェクトの進行管理などはロボット研究者の石黒浩教授(大阪大学大学院基礎工学研究科)が務める。IPAはこの他、2021年度の未踏アドバンスト事業として、経済産業省から20年度の「スーパークリエイタ」に認定された学生、大渕雄生さん(筑波大情報学群情報メディア創成学類)が手掛けるノーコード開発プラットフォームなど7件のプロジェクトを採択した。
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