「ROCK IN JAPAN」開催中止 県医師会などの要請に「何をもって万全とするのか」
8月に開催予定だった夏フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021」が中止に。2日に茨城県医師会などが要請した条件を満たせないと判断した。
ROCK IN JAPAN FESTIVAL事務局は7月7日、8月に国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)で開催する予定だった夏フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021」を中止すると発表した。2日に茨城県医師会などが要請した条件を満たせないと判断した。
公式サイトは総合プロデューサーを務める渋谷陽一さんの言葉で経緯をまとめている。医師会の要請の1つは「今後の感染拡大状況に応じて、開催の中止または延期を検討すること」。指標となる数字などはなく「解釈は余りに多様で基準が曖昧。それでは私たちは対応ができません」と苦言を呈す。
もう1つの要請は「仮に開催する場合であっても、更なる入場制限措置等を講ずるとともに、観客の会場外での行動を含む感染防止対策に万全を期すこと」だった。「何を以て万全とするのか、どのような新たな対策を提示すれば良いのか」。
既に入場者を制限した上で抽選を行い、「万に近い落選者」が出ていた。さらに減らすには再抽選しかないが、時間的に現実味はないという。
また「観客の会場外での行動」を言葉通りに受け取ると、参加者の宿泊や移動まで主催者が管理することになる。渋谷さんは「(言葉の解釈として)きっとそうではないのでしょうが、会場外での行動が何を示しているのか細部を議論する時間的余裕はありません」と戸惑いを隠さない。
開催日まで約1カ月。フェスの準備は進み、中止すると「億以上の支出」になるという。しかし準備を進めると支出は「日に日に何千万円の単位で」増える。判断を先延ばしにするのはリスクが大きかった。
参加者に対しては「医師会からの要請に十全に応えることは今の私たちにはできません。残念ですが中止以外の選択肢はありませんでした」と説明している。
ROCK IN JAPAN FES.は毎年8月に国営ひたち海浜公園で開催しているロックフェス。2020年はコロナ禍の影響で中止したが、2019年は250組のアーティストが参加し、5日間で計33万7421人の観客を動員した。
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