ニュース
水上ドローンで密漁監視、自動見回りで省人化 岩手県宮古市で実験
炎重工は7月7日、水上ドローンを活用して密漁を防ぐ実証実験を岩手県宮古市で始めた。夜間や休日に自動運航させ、密漁の監視業務を効率化できるか検証する。
水中カメラや魚群の誘導システムを手掛ける炎重工(岩手県滝沢市)は7月7日、水上ドローンを活用して密漁を防ぐ実証実験を始めた。ドローンは同社独自の無人運航システム「Marine Drone」を搭載。昼間に加えて夜間や休日に自動運航させ、密漁を監視する業務を効率化できるか検証する。
Marine Droneは、事前にルートやエリアを指定することで、GPSの情報を基に水上ドローンや船型ロボットなどを自動運航させられるシステム。機体にカメラを搭載すれば、映像を見ながらドローンやロボットを遠隔操作することも可能という。
実験では、同社が開発した水上ドローンで、岩手県宮古市の近海を監視する。ドローンの最大速度は時速7.4kmで、約85時間まで連続で航行可能。自治体や地元の漁業組合の意見を参考に、機能やセキュリティ、装備の追加も行う。ただしどんな機能や設備を増やすのかは、保安上の理由で非公開としている。
実験は2022年2月まで行う予定。炎重工によれば、これまで密漁の監視業務は目視に頼らざるを得ず、夜間や休日にも行う必要があったため、漁師などへの負担が大きかったという。同社は今回の実験について「水上ドローンを使った密漁対策の社会実装を目指す」としている。
関連記事
- アワビやナマコをIoTで守る 密漁者を音で検知 沖電気が対策システム
沖電気工業が、密漁者を検知するIoTシステムを発売。水中に配置できる音響センサーとクラウドサーバを使って、不審な船やダイバーが発した音を検知する。IoT技術でアワビやナマコなどの海産物を守る。 - 空を飛び、潜水する「水空合体ドローン」 KDDIが世界初
KDDIが世界初「水空合体ドローン」を開発。水中の点検場所までドローンが自律飛行し、着水後に子機の水中ドローンを分離する。 - 夜のオフィスでドローンが残業監視 「働き方改革に貢献」
夜間のオフィス内にドローンを飛ばし、スタッフの残業状態を監視する新サービス「T-FREND」をNTT東などが開発。人が巡回しなくても、残業している人に退社を催促したり、オフィスの警備が可能に。 - ドローンで刑務所を監視 セコムが実証実験 警備員の負担少なく
ドローンが巡回し、異常を監視する実証実験を、セコムが山口県の刑務所で始めた。警備員の負担軽減につながるという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.