企業のお知らせ配信サイト「PR TIMES」で漏えい 発表前の情報258件にダウンロードの痕跡
企業のプレスリリース配信サービス「PR TIMES」が発表前の画像ファイルなど258件を誤って公開してしまったと発表した。7月9日時点でインサイダー情報の流出は確認していないという。
PR TIMES社(東京都港区)は7月9日、同社が運営する、会員企業の発表を配信するWebサイト「PR TIMES」で当時未発表だった画像ファイルやPDFファイルなどを公開環境に置いた結果、合計258点のファイルが流出したと発表した。流出を確認した期間は5月4日から7月6日まで。インサイダー情報の流出は9日までに確認されていないという。
【訂正履歴:2021年9月21日午後10時5分 記事初出時、未発表だった画像ファイルなどについて「不正取得された」としていましたが、ファイルに誰でもアクセスできる状態だったため誤りでした。お詫びして訂正いたします。】
発表前に取得されたと確認したのは、会員企業13社が公開前に下書き保存していた発表内容230件に添付する画像をまとめたZIPファイル230点と、発表文などの内容が書かれたPDFファイル28点。画像とPDFファイル以外のリリース本文などの情報は流出していないという。
「発表前の情報がSNSに投稿されている」という指摘を、7月5日に会員企業から受けて同社が調査を始めた。
ZIPファイルのダウンロード機能に問題があることが6日に分かった。過去のダウンロード用URLを基にURLの文字列を推測することで、発表前の画像ZIPファイルが入手できる状態だったという。その日のうちに一連のファイルをダウンロードできないように変更。ファイルをダウンロードしたIPアドレスの履歴を調べたところ、13社にアクセスしていたことが分かったとしている。
8日には、公開前のPDFファイルもダウンロードできる状態だったと判明。9日に、ダウンロード用URLが予測できない文字列になるよう変更した。
「システム開発段階では想定していなかった不正利用だった。今回の対応は一時的なもので、今後セキュリティ強化をして再発防止をし、発表前情報の管理を徹底する」(同社)
発表前にファイルのダウンロードを行った特定IPアドレスはプロバイダーへ申告済み。この他にもファイルを取得したIPアドレスがないか、調査を続けているという。
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