環境省と気象庁が4月に全国で運用を始めた「熱中症警戒アラート」。夏本番を迎え活用に期待がかかる。しかし、健康機器メーカーのタニタが7月19日に発表した調査結果によるとアラートを気に掛けている人はまだ少ないようだ。
タニタの「熱中症に関する意識調査」によると、熱中症警戒アラートが「どのようなものか知っていた」人は全体の15.9%。「名前は聞いたことがある」の47.1%を含めて認知率は63%に上った。
しかし熱中症にならないために気にすることは、屋外にいる場合で「気温」(62.7%)が最も多く、「天気」(53.1%)、「日差し」(51.8%)と続く(複数回答可)。「熱中症警戒アラート」(9.6%)や「暑さ指数(WBGT)」(5.9%)は10%に満たなかった。屋内にいる場合はさらに少ない。
暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防する目的で1954年に米国で提案された指標。人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目し、気温、湿度、輻射熱(地面などからの照り返し)を取り入れた。
熱中症警戒アラートは暑さ指数を基準に熱中症の危険性が高い地域に警戒を呼びかけるもので、具体的に熱中症を予防する行動なども示す。20年7月に関東甲信地方(1都8県)で運用を始め、今年4月28日から全国に広げた。
タニタは「熱中症対策の実効性を高めるため、一人一人がこれら発表の内容を有効活用し、熱中症予防を実践することが大切」としている。
調査は6月29日から7月1日まで全国の15歳以上の男女1000人を対象に実施した。調査会社のネットエイジアが協力した。
関連記事
- エアコン使い始めの臭い、発生のメカニズムと対策
暑くなって久しぶりにエアコンを冷房で動かしたら風に混じって気になる臭いが……。三菱電機によると原因は主に2つあるという。 - 熱中症を防ぐ「暑熱順化」マニュアル、日本気象協会が公開 急に暑くなる5月は要注意
日本気象協会が熱中症対策に有効な「暑熱順化」の進め方をまとめたWebサイトを公開した。PDF版も公開している。 - 酷暑のマスク、保冷剤はどこまで“使える”のか
コロナ禍で誰もがマスクを手放せなくなった初めての夏。マスク着用による熱中症リスクも指摘される中、各社から登場している夏用マスクはどのくらい有効なのでしょうか。今回は保冷剤付きの布製立体マスクを試します。 - 「適宜マスク外して」 熱中症対策に厚労省呼びかけ
夏に向けて気温が上がる中、新型コロナ対策にマスクを着用していると暑くて息苦しくもなってくる。厚生労働省は、新型コロナ対策と熱中症対策を両立させるべく、適切なタイミングではマスクを外すよう呼びかけている。 - 真夏の換気、エアコンは“つけっぱなし”が正解 ダイキン調査
ダイキンの調査によると、換気で窓をひんぱんに開ける場合、エアコンはつけっぱなしにした方が電気代が安く、室内温度の上昇も抑えられるという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.