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「ドラえもんの世界みたい」――選手村を走る自動運転バスが国内外で話題に 運転しない乗務員の役割は?東京五輪とネット(1/2 ページ)

五輪選手村を走る自動運転バスを撮影した動画を選手がSNSに投稿し、「2050年の日本に住んでいるのか?」「ドラえもんの世界みたい」などと国内外で話題に。バスはトヨタが開発した20人乗りの自動運転EV車「e-Palette」の五輪モデル。

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 選手村を自動運転バスで巡るのはいかが?――オーストリアのカヌー女子代表ビクトリア・ウォルフハルト選手がそんなコメント付きの動画をTikTokで公開した。東京五輪の期間中、さまざまな選手が自動運転バスの動画をSNSに投稿しており、中には約5万件の「いいね」が付いた投稿もある。投稿を見た国内外の人たちからは「2050年の日本に住んでいるのか?」「ドラえもんの世界みたい」「選手村が別世界のようだ」などの声が上がっている。

ビクトリア・ウォルフハルト選手が投稿した動画

短期連載「東京五輪とネット」

57年ぶりの東京開催となった「東京2020オリンピック・パラリンピック」。前回開催時と異なりネットが普及した今、ネットを通じてさまざまな声や交流が生まれている。競技者やサポーター、報道関係者、企業など、国や立場を超えて生まれる“ネットと五輪”ムーブメントを追う。

 側面が大きな窓になっており、車体の曲線が印象的な小型バス。選手村を走るこのクルマは、トヨタ自動車が開発した自動運転EVバス「e-Palette」の東京五輪・パラリンピックモデルだ。五輪期間中、選手村内を巡回し、選手や大会関係者の移動をサポートしている。


e-Paletteの外観(Tokyo 2020提供)

 トヨタはこの五輪モデルの仕様を公開している。まず自動運転については、独自開発のシステムと高精度3Dマップを組み合わせて、米自動車技術会(SAE)が5段階で示した自動運転の基準の「レベル4」(特定の条件・場所での完全自動運転)を実現しているという。


e-Paletteの外観(紹介ページより)

 車体は20人乗りで、最高速度は時速約19km、航続距離は約150km。周囲360度の障害物を常に検知し、状況に応じて速度を変えるという。自動運転だが人間のスタッフが同乗し、異常が発生したときには緊急停止などの対応を行う。

 さまざまな身長の人に配慮したという手すりやシートの他、大開口スライドドア、低床フロア、電動スロープを採用。さらに車両をバス停から最小限の隙間で停車させる正着制御技術を採用し、車いすユーザーを含む複数人がスムーズに乗降できるようにしているという。

e-Paletteに車椅子で乗るイメージ(左)、車内のイメージ(右)(紹介ページより)

 日本のトランポリン女子代表・森ひかる選手が投稿した動画には、外国人の大会関係者が乗るときにスタッフがおじぎをしている様子が映っている。Twitterでは「自動運転になると、乗務員には乗客へのおじぎという新たな役割が生まれるのか」と、日本流の“おもてなし”に注目する声もあった。

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