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トヨタ、多目的EV「e-Palette」実戦投入へ 東京五輪の選手村を巡回(1/2 ページ)

トヨタが、自動運転技術を活用した多目的EV(電気自動車)「e-Palette」を、2020年開催の東京五輪で実用化する。

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 トヨタ自動車は10月9日、自動運転技術を活用した、多目的EV(電気自動車)「e-Palette」を、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックで実用化すると発表した。選手村内を十数台が巡回し、選手や大会関係者を運ぶ。18年1月の「CES」ではコンセプトモデルにすぎなかった、トヨタのMaaS(Mobility as a Service)戦略を象徴するクルマを実戦投入する。

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 e-Palette(東京2020仕様)は、前後対称の箱型デザインや小型タイヤを採用することで、室内空間を広くする。カメラやLiDAR(Light Detection And Ranging)などのセンサーを搭載し、高精度3Dマップと組み合わせ、低速自動運転を実現。周囲360度の障害物を常に検知し、周囲の状況に応じて最適な速度で運行するという。

 システム異常時には、車両に同乗するオペレーターが安全に車両を停止できるブレーキを備える。自動運転時に周囲の歩行者とコミュニケーションができるよう、アイコンタクトのように車両の状況を知らせるフロント・リアのランプも取り入れる。

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 外寸サイズは、5255(全長)×2065(全幅)×2760(全高)ミリ、ホイールベースは4000ミリ。定員はオペレーター1人を含む20人(車いすの場合は4人と、立ち乗り7人まで)。航続距離は150キロ程度、最高速は時速19キロ。

 同車両は、第46回東京モーターショー2019(10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト)で展示する。

“MaaS戦略の象徴”を実戦投入へ

 トヨタは18年1月、「自動車会社から人々のさまざまな移動を支えるモビリティ・カンパニーへと変革する」という方針を打ち出すとともに、コンセプトモデル「e-Palette Concept」を初披露した。

 e-Palette Conceptは、移動型の店舗になったり、人やモノを運んだり──といった多種多様な用途を想定。同社は「これまでのクルマの概念を超えて、顧客にサービスを含めた新たな価値が提供できる」とし、MaaS事業に注力する姿勢を鮮明にした。

 そんなコンセプトモデルだったe-Paletteを、東京五輪で初めて実戦投入する。今回は「人を運ぶ」という機能に特化するが、同社は「蓄積した知見を活用し、さまざまなモビリティーサービスに対応するe-Paletteの開発を進める」としている。

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