孫正義「ライドシェア=配車アプリ、は見当違いで過小評価」 なぜソフトバンクはモビリティーに着目したか
孫正義社長がソフトバンクグループのモビリティー戦略について話した。海外ライドシェア大手4社に出資する意味とは?
「ライドシェアを『配車アプリ』と表現するのは見当違いだ」──ソフトバンクグループの孫正義社長は10月4日、トヨタ自動車とソフトバンクが共同で設立するモビリティーの新会社「MONET Technologies」(モネ テクノロジーズ、MONET)の発表会でそう話した。
ソフトバンクはこれまでにライドシェア大手の米Uber、中国DiDi、シンガポールGrab、インドOLAに筆頭株主として出資を行ってきた。孫社長は、4社を単にライドシェア企業ではなく「AIを活用したモビリティープラットフォーム」として捉えているという。
「国内では、Uberなどを『配車アプリ』とよく表現しているが、全くの見当違いで過小評価だと私は思っている。これらの会社はAIを活用したプラットフォーム。街の100メートル四方で15分後に何台の車が足りなくなるのか、余るのか、どこで客が手をあげるのか。ヒートマップを作り、未来の需要を予測しながら供給している」(孫社長)
孫社長は4社の運賃取扱高があわせて約10兆円まで伸びており、今後10年以内には米Amazon.comの取扱高を追い越すとみている。さらに4社を“ファミリーカンパニー”に迎え入れたことについて、自動運転車が普及するまでの市場形成を見据えているようだ。
「自動運転技術を取り入れたクルマは、スーパーコンピュータの塊。市場に出始めた当初は、1台あたり数千万円するだろう。ターゲット顧客は個人ではなく、ライドシェア企業が圧倒的に大きい。合わせて世界シェア9割のライドシェア企業をファミリーカンパニーに迎え入れることは意味があるのではないか」(孫社長)
MONETは、2020年代半ばまでにトヨタがモビリティーサービス向けとして開発中の多目的電気自動車(EV)「e-Palette」(イーパレット)を商業化したい考えだ。
「モビリティーで世界一のトヨタと、AIに注力するソフトバンクが提携することで、新しい時代のモビリティー、これまでにない進化したサービスが生まれる」(孫社長)
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