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長引くコロナ禍、オフィス再開は可能か? 柔軟な従業員ケアが焦点にウィズコロナ時代のテクノロジー(2/3 ページ)

オフィス再開に関連した人事系ソリューションについて。

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ウィズコロナ時代の新たな従業員管理

 人事・財務アプリケーションを提供する米Workdayは、「職場への復帰」(Return to Workplace)と名付けられたページにおいて、その名の通りオフィス再開を支援するソリューションを紹介している。

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Return to Workplace

 例えば、「Vaccine Management Solution」(ワクチン管理ソリューション)では、ワクチンの種類や供給状況、従業員の接種率、従業員のワクチン接種意向といった情報をダッシュボード上で管理でき、管理者はそれに基づいて、オフィス再開に向けた計画を練ることができる。

 計画立案においては、出社可能な従業員数、オフィススペースに対する需要、さらにはマスクやフェースシールドなど防護具の在庫状況といった要素を含めた形でシナリオを立案でき、ワクチン接種を優先すべき従業員グループの特定といった検討も可能になっている。

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Workdayのプレスリリースより

 従業員のワクチン接種状況やCOVID-19への感染状況に基づいて、パーソナライズされた関連情報を自動的に生成し、従業員に対して適切な働きかけを行うこともできるそうだ。

 実際に、同社の公式ブログでは、ある大手テクノロジー企業がこれらのソリューションを利用した例が紹介されている。この企業はオフィス再開に向け、部門横断型でチームを編成し、従業員への対応を行った。その際、Workdayのダッシュボードを通じ、各地域でのワクチン利用可能状況や地域別のワクチン接種率を把握。そして目標とする接種率の達成に向け、従来のような一斉同報型のメッセージ発信に加え、従業員の状況に応じカスタマイズされたコンテンツの配信を行ったそうである。

 こうした計画と管理、従業員への働きかけは極めて重要だが、一方で、新型コロナウイルスという危機が感染症である以上、従業員の健康状態が急速に悪化するということもある。それを把握するために、企業はさまざまな対応を行っており、実際に職場で何らかの健康チェックと報告を義務付けられているという方も多いのではないだろうか。それを高度化させたソリューションを、フィットネス用デバイスとアプリを提供する米Fitbitが開発している。

 Fitbitが提供する「Ready for Work」(働く準備ができている)と名付けられたソリューションでは、従業員の同意を得た上で、同社のウェアラブルデバイスを通じて彼らの健康状態(心拍数や呼吸数など)に関するデータが収集される。また、従業員の自己申告を通じて、各種の症状、体温、濃厚接触の有無といった情報が記録される。

 これらの要因に基づいて、システムは従業員に対し、オフィスに向かうか自宅で作業するかの判断に役立つガイダンスを提供。また管理者はダッシュボードで従業員の職場復帰の状況をモニターでき、各種情報をリスク管理と対応に役立てることができるとしている。

 こうした健康状態に関するデータや、前述のような個人のワクチン接種情報はプライバシーと容易にひも付くものであり、取り扱いには細心の注意が求められる。情報を閲覧できる権限の管理と割り当て、データ保管期限に関する判断、さらには外部からのハッキングの脅威への対応など、さまざまな点に対応しなければならない。

 それを自社だけで完結できるという企業ばかりではないため、ここで紹介したようなソリューションに対するニーズは、今後高まることが予想される。

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