コロナ「第5波」でもテレワーク拡大せず 五輪の影響も限定的
コロナ「第5波」による緊急事態宣言が東京都に発令されたが、テレワーク推進への効果は極めて限定的だった、という調査結果をパーソル総合研究所が発表した。
新型コロナウイルス「第5波」に伴う7月からの緊急事態宣言や東京五輪の開催は、テレワーク実施率にほとんど影響しなかった――パーソル総合研究所が8月17日、こんな調査結果を発表した。
調査は五輪期間中の2021年7月30日から8月1日に、従業員10人以上の企業に勤める20〜59歳の男女2万5809人を対象に、インターネットで実施した。
正社員のテレワーク実施率は全国平均27.5%で、20年11月の前回調査から2.8ポイントの増加にとどまった。都道府県別では、緊急事態宣言中の東京都が47.3%で1位で、20年11月調査時より1.5ポイント増えたが、20年4月の最初の緊急事態宣言時と比べると1.8ポイント減っていた。
同社は「五輪開催・緊急事態宣言・感染爆発など出社の抑制につながりそうな条件がそろっていたが、正社員のテレワーク実施率はほぼ横ばいだった」と指摘。コロナ第5波に伴い、7月12日から東京都に緊急事態宣言が発令されたものの、テレワークへの効果は「極めて限定的」だったとみている。
テレワーク実施率を業種別で見ると、「情報通信業」が60%と最多、次いで税理士など「学術研究、専門・技術サービス業」が約41%、「金融業、保険業」が約36%だった。20年11月の調査から増加幅が最多だったのは「建設業」で約8ポイント増、次いで「金融業、保険業」が約6ポイント増、「情報通信業」が約4ポイント増だった。
テレワークを行っていない人に理由を聞いたところ、「テレワークできる業務ではない」が約47%と最多だった。20年3月の調査と比べると「テレワーク制度が整備されてない」は約10ポイント減少、「ICT環境が整備されていない」は約5ポイント減少し、テレワーク環境の整備は進んでいるようだ。
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