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シヤチハタが「NFT印鑑」開発へ 印影データと持ち主を結び付け偽造防止
シヤチハタが、印影のデータと利用者の情報を結び付けてNFT化することで、偽造のリスクを減らした電子印鑑「NFT印鑑」を開発すると発表した。サービスの提供形態や時期は未定。
シヤチハタは8月18日、印影のデータと利用者の情報を結び付けてNFT(ノンファジブルトークン)化することで、偽造のリスクを減らした電子印鑑「NFT印鑑」を開発すると発表した。サービスの提供形態や時期は未定。
NFTは「代替不可能なトークン」を指す。ブロックチェーン技術を使ったデジタルトークンで、デジタルアートやデジタルアイテムといった作品・商品の所有権を売買するときなどに使われる。所有者履歴などをブロックチェーン上に記録するためデータが改ざんできず、デジタルな作品でも真贋や所有権を証明できるとされている。
NFT印鑑では「いつ誰がどの書類に電子印鑑を押したか」という情報を、シヤチハタや電通、朝日新聞など20社が共同管理するブロックチェーンに、押印した時点で記録する。別々の電子契約サービスを使っている企業同士でも、NFT印鑑を使って押印の証明ができるシステムを目指すとして、開発者向けのAPIも開発する予定。
シヤチハタによれば、従来の電子印鑑は「いつ誰がどの書類に電子印鑑を押したか」という情報は記録できるものの、保存先が企業のサーバなどであるため、ブロックチェーンを活用する場合に比べると偽造のリスクが高いという。シヤチハタは書類手続きの電子化を進める企業に加え、行政や自治体の利用を見込むとしている。
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