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VTuberの中の人が入れ替わったらどうする? 中国の愛好家はこう考えるInnovative Tech(2/4 ページ)

VTuberは中国でも大きな人気を誇る。彼らの中の人に対する関心と捉え方がインタビューによって浮かび上がってきた。

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「デザインされたペルソナ」と「中の人の個性」

 個性といえば、VTuberのパブリックペルソナは明白であることが挙げられる。例えば、「キズナアイ」は明るくてたまに無愛想な女の子として認知され、視聴者はこのシンプルなペルソナを簡単に把握できる。他方で、「デザインされたペルソナ」と「中の人の個性」を最初から別ものにし、このギャップで引き付けるケースもある。

 定期的にストリーミングを行うことで、「中の人の個性」が無意識のうちに少しずつ露呈し、徐々にそのVTuberのペルソナに溶け込み新しいペルソナに移り変わる。この移り変わりに引かれる。

 このように「デザインされたペルソナ」と「中の人の個性」との不一致によって、うまくいけば初期段階では人気を獲得できるが、その後は飽きられてファンを失いかねないという課題は残る。この場合、ペルソナを調整して、フォロワー離れを避ける手法が取られたりする。

 視聴者7は神楽めあを例に挙げ、こう述べている。「彼女は、汚い言葉と不条理な行動で有名だった。しかし、彼女は以前よりも人気が出てきたので、荒らしを寄せ付けないよう、意図的に汚い言葉の使用を減らしている」

 このような明示的なペルソナの変更は、視聴者とVTuberの間の交流を新たに生み出すという。視聴者7は続ける。「彼女がペルソナと矛盾した行動をとったときに、彼女のペルソナに言及し、からかうことがよくある」

 露骨なペルソナ変更をネタに盛り上がるのだ。これによって、ファンの流出をある程度食い止められるという。

 これらのことを踏まえると、「デザインされたペルソナ」と「中の人の個性」とのギャップ、そして長期にかけて「中の人の個性」が溶け込んだ際に起きる、飽きられる課題に対してのペルソナの変更、つまり「デザインされたペルソナ」と「中の人の個性」との関係は流動的で、視聴者にオープンであり、視聴者を引き付ける手段と考えられる。

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