東京都、サービス開発時のユーザーテスト徹底へ 従来は「広く行われていなかった」
東京都が、都庁内で開発したアプリやシステムのユーザーテスト実施を徹底する。従来は「広く行われていなかった」といい、テスト手法をまとめたガイドラインも公開した。
東京都は9月1日、都政のDX(デジタルトランスフォーメーション)施策の一環として、都庁内で開発したアプリやシステムのリリース前にユーザーテストを徹底すると発表した。テスト手法をまとめたガイドラインも公開。従来はユーザーテストなしでリリースする場合もあったといい、今後は「テストしないものはリリースしない」文化を根付かせる。
ガイドラインには、ユーザーテストの概要や目的、進め方や実施方法などを記載。開発段階のβ版と正式版についてそれぞれ、使い勝手や改善点を検証するために事前テストを行う。
テスターは開発担当者以外の都職員やその家族、友人などに依頼する。2022年度中に都民にも対象を広げる計画だ。
都の構造改革推進チーム事務局の担当者によると「これまでユーザーテストを実施していたものもあると思うが、広く行われていなかった」「網羅的に把握していなかった」という。ガイドラインで具体的な手法を示しつつ、サポートを提供することで、事前テストの徹底を図る。
都では最近、ユーザーからの意見を基にサービスを改善する取り組みを進めている。今年7月にオープンした都政の構造改革ポータルサイト「シン・トセイ」では、正式リリース前にα版とβ版を公開。職員や都民から意見を集め、7月末時点で46件の改善につなげたという。2020年3月オープンの「新型コロナウイルス感染症対策サイト」はGitHub上にオープンソースとして公開。開発者からの提案を基に、21年8月15日時点までに約2200件の改善を行ったという。
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