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喉頭摘出者を音声合成と「電気喉頭」で再び会話可能に 発話用アプリも開発、名古屋大などが臨床研究
名古屋大学の研究チームは、頭頸部がんなどで喉頭(喉仏)を摘出し、自力での発声が困難になった患者を、音声合成技術と人工の喉頭「電気喉頭」を活用して再び会話できるようにする臨床研究を始めると発表した。
名古屋大学の研究チームは9月7日、頭頸部がんなどで喉頭(喉仏)を摘出し、自力での発声が困難になった患者を、音声合成技術と人工の喉頭「電気喉頭」を活用して再び会話できるようにする臨床研究を始めると発表した。手術前に録音した患者の声を基に声を再現。電気喉頭の信号をこの音声に変換し、新たに開発するアプリを通して発話する仕組みを開発する。
研究では、喉に取り付けた電気喉頭の信号を合成音声に変換する基盤システムを構築する他、発話に使うアプリを持ち運びできるデバイス向けに開発。同大発のベンチャー企業TARVO(名古屋市千種区)と、エイベックス子会社で音声合成コンテンツの企画などを手掛けるコエステ(東京都港区)も参加し、それぞれアプリの開発、音声合成技術の活用に協力する。
頭頸部がんなどで喉頭を摘出された患者は、自分の声による音声での意思疎通が不可能となり、生活の質の低下が危惧される。声を取り戻す手段としては、専用の器具を首に当てて、振動子の音を声道内に共鳴させて発声するなどの代替法があるが、こういった方法での発声は抑揚に乏しく、機械的な音声となるため、使用を控える患者も多いという。
一方、今回の研究で手術前に近い形で発話できるようになれば、コミュニケーションの難易度が下がり、喉頭摘出者が積極的に社会に参加しやすくなるとしている。喉頭摘出手術へのハードルを下げる効果も期待するという。
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