イグ・ノーベル賞、日本人が15年連続受賞 “歩きスマホ”巡る研究で
人々を笑わせる研究に対して与えられる賞「イグ・ノーベル賞」の動力学賞を、京都工芸繊維大学の村上久助教授などで構成された研究チームが受賞した。研究内容は、歩行する集団の一部が“歩きスマホ”をすることで、全体の歩く速度が遅くなることの調査。日本人の受賞は15年連続。
人々を笑わせる研究に対して与えられる賞「イグ・ノーベル賞」の受賞者が9月9日(現地時間)に発表され、動力学賞に京都工芸繊維大学の村上久助教授などで構成された研究チームが選ばれた。受賞したのは、歩行する集団の一部が“歩きスマホ”をすることで、全体の歩く速度が遅くなることの研究。日本人の受賞は15年連続。
イグ・ノーベル賞は人々を笑わせる研究を扱う科学雑誌「Annals of Improbable Research」が主催するノーベル賞のパロディー。初回は1991年で、例年医学賞や平和賞など10分野の賞を選出している。通常は米ハーバード大学で授賞式を開催するが、コロナ禍の影響により、20年からはオンラインで実施している。
村上助教授などの研究チームは、それぞれ27人からなる2つの集団を対面して歩かせ、その様子を確認。片方の集団の3人に歩きスマホをさせた場合とそうでない場合を比較し、他の歩行者に及ぶ影響を調査した。
その結果、歩きスマホをする人がいると、他の歩行者が動きを予期しにくくなり、歩く速度が低下した他、衝突を避けるため、自然に歩行者の列が発生する「レーン形成現象」の形成が遅れることも分かったという。
受賞者には賞金10兆ジンバブエドル(貨幣価値なし)とトロフィーを贈呈。2021年はこの他「サイを上下逆に空輸することが安全かどうかの実証」(輸送賞)や「人のあごひげは殴打から顔を保護するために進化したという仮説の検証」(平和賞)などの研究が受賞した。
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