Instagramは多くの若者にとって有害との内部調査結果をWSJが暴露
Wall Street Journalが、「FacebookはInstagramが若者にとって有害だと知っていたことが社内文書で明らかに」という記事を掲載。これに対しInstagramは調査の一部をネガティブに紹介していると反論し、対策していると主張した。
米Wall Street Journalは9月14日(現地時間)、「Facebook Knows Instagram Is Toxic for Teen Girls, Company Documents Show」(FacebookはInstagramが10代の女性にとって有害であると知っていたことが社内文書で明らかに)というタイトルの記事を掲載した。
この記事は、同メディアが入手したというFacebook内部の調査部門が2019年と2020年に実施したInstagramに関する調査資料や、若いInstagramユーザー数人のインタビューなどに基づいている。
内部調査資料によると、調査対象の10代の女性の32%はInstagramを見ることで、自分の体型について気分が落ち込むと答えた。また、米国の10代の男性の14%が、Instagramを見て自分自身について気分が落ち込んだと答えた。
Facebookによる2020年3月の調査資料には、Instagramの特徴である、最高の瞬間だけを共有する傾向や中毒性が、若者を摂食障害やうつ病に向かってスパイラルさせる可能性があると記されているという。
「TikTokのユーザーはパフォーマンスに重点を置いており、Snapchatユーザーは顔にフォーカスするが、冗談めかしたフィルターで守られている。それらと対象的に、Instagramは体とライフスタイルの重点を置いている」(2020年の調査報告より)
「発見」ページに表示される、ユーザーの好みに合わせてキュレーションされた写真や動画は、ユーザーにとって有害になる可能性のあるコンテンツになる可能性を警告してもいた。
Facebookの資料によると、Instagramユーザーの40%以上が22歳以下で、米国の10代の若者はFacebookよりInstagramに50%多くの時間を費やしているという。資料には「Instagramが現在の軌道を継続できれば成功への道がある」と記されていた。
Wall Street Journalは、「Facebookは、公の場ではInstagramが10代に与える悪影響を一貫して軽視しており、内部調査の結果を公開したり、結果の開示を求める研究者や議員に提供したりしていない」と指摘する。
Instagramはこの記事を受け、公式ブログで、「この記事は、調査結果の限られた部分に焦点を当て、ネガティブな見解を展開している」と主張。
「記事にあるように、Instagramが否定的な経験をする場になる可能性があることはわれわれも認識している。われわれの仕事は、Instagramでの体験に人々が満足できるようにすることであり、われわれはその達成に注力している」とInstagramのパブリックポリシー担当者、カリーナ・ニュートン氏は公式ブログで語り、プラットフォームで若者を守るために取り組んでいることについて説明した。
まず、ネガティブな感情を強めてしまう傾向への対策として、そうした感情を強める可能性があるコンテンツを繰り返し見ているユーザーに対し、多様なトピックを見るよう促す方法を模索しているという。
また、社内で行っている研究について「より透明性を高めたいと考えている」。同時に、外部の研究者がプラットフォーム上の個人データにプライバシーを尊重する形でアクセスできるようにする方法を模索しているという。
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