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新1万円札の肖像、7年前に記念硬貨になっていた お札の博物館でお金の歴史をひもとくデジタルネイティブのためのフォントとデザイン[特別版](1/5 ページ)

新紙幣のデザインについて議論が活発だ。だが、見本画像だけでジャッジすることに違和感を覚えた筆者が行った先は。

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 新しい日本の通貨が動き始めた。

 国立印刷局東京工場(東京都北区西ケ原)で新紙幣の印刷が9月1日から開始された。2024年には流通が始まる。

 この新紙幣(1万円、5000円、1000円)についてSNSではフォントとデザインについて多くの意見が出され議論が活発になった。筆者はデザイナーとしてそれらの意見に共感を持ちつつも、見本画像だけでジャッジすることに違和感を覚えずにはいられなかった。

 国家や国家の連合体が発行する通貨は経済システムにおいて信用と価値を保障する手段でもあり、その評価には一定の時間がかかる。デザインを含めた出来不出来の評価は、少なくとも市場に流通してから数年を待たなければならないだろう。

 ましてや、今は電子マネーの普及や暗号通貨の台頭によって通貨そのものの再定義がなされている時代だ。形として実体をもつ通貨のポジショニングは10年後には大きく変わっている可能性がある。

 取材のために国立印刷局からメールで送られてきた新紙幣の見本画像をチェックしながら、これは紙幣や貨幣の歴史を知ることが重要なのではないかと思い立ち、国立印刷局と造幣局に取材を申し込んだ。

 ともに財務省からつながる独立行政法人である2つの局は、一般公開されている博物館を擁している。この博物館での取材を通して、これから発行される新紙幣と新硬貨について考えてみたい。

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2024年に日本銀行から発行が予定されている新券(1万円、5000円、1000円)画像提供:独立行政法人 国立印刷局
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