ひきこもり支援にeスポーツ活用、保護者への啓蒙も 東大阪市と日本学生esports協会が連携
大阪府東大阪市が、ひきこもり支援にeスポーツを活用しようとeスポーツの魅力発信や雇用の創出を目的に活動する「日本学生esports協会」(Gameic)と連携協定を締結したと発表した。
大阪府東大阪市は9月24日、ひきこもり支援にeスポーツを活用しようとeスポーツの魅力発信や雇用の創出を目的に活動する「日本学生esports協会」(Gameic)と連携協定を締結したと発表した。ひきこもりの10代から20代の若年層の多くがゲームをプレイしていることから、市と同協会は保護者や自治体の支援者などにeスポーツに関する講習会を開催し、社会復帰につなげたい考え。
東大阪市は、ひきこもり支援の一環で相談窓口を開設しているものの「相談者の多くが保護者や兄弟などで、当事者へのアプローチが欠けていた」(市の担当者)と話す。一方で「当事者の多くはゲーム内で人とのコミュニケーションや接点があり、実際は社会とのつながりがある」(同)という。
そこで、家族を中心にeスポーツへの正しい理解を深めてもらい、家族経由で同協会の存在を知ってもらうとともに、当事者は協会に所属するハイアマチュアプレイヤーとの交流や大会出場などを通じて、長期的な視野で社会復帰につなげる。相談費用は無料。
協定締結の背景には、ひきこもりが長期化し、80代の親が、50代の子どもの生活を支える「8050問題」がある。問題が深刻化する前に解決につなげることで、この問題を少しでも回避したいというのが市の狙いだ。
市の担当者は「どうしてもゲーム=悪という固定観念がある。われわれのような支援する側もその考えを改め、正しい理解をしなければならない」と意義を強調。eスポーツが五輪種目に採用される可能性にも触れ「支援を受けた当事者の中から有名なプレイヤーが生まれることにも期待している」(同)とした。
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