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Amazonのロボット「アストロ」、日本の家庭に居場所はある?小寺信良のIT大作戦(3/4 ページ)

Amazon初の家庭用ロボット「アストロ」。日本で販売するかどうかは不明だが、現在の機能は日本市場にマッチするだろうか。

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「アストロ」が担うもの

 アストロは、エンタテインメントにふったロボットではない。もちろん従来のEcho Show同様、情報の表示や映画、音楽の再生や、音声コマンドによるスマートホームコントロールはできる。だが動けることのメリットとして、「家庭内の安全」が大きくフィーチャーされた点は重要だ。

 アストロは家庭内のマップを作り、ユーザーは進入禁止エリアなどを指定することができる。このあたりまでは、まだロボット掃除機と同じである。だがビジュアルID(顔)を登録することで、人を見分けることもできる。従って、家人の誰かを探しに行く、誰かのところへ行くといったこともできる。登録してある人以外を“知らない人”として認識し、通知する機能もある。

 カメラとディスプレイを搭載することで、ビデオ通話に使えるのは当然だが、カメラの映像をスマートフォンアプリにストリームするライブビュー機能は、家庭内の見回りをリモートで行うことができる。部屋やペットの様子、ガスコンロの使用状況などが確認できる。

 加えて2020年に発表された独自のセキュリティ機能のAlexa Guardと連携することで、煙や一酸化炭素警報の音、ガラスの割れる音を検知し、アラートを発することができるようになる。

 さらに「アストロ」と同時に発表されたホームセキュリティサービス「Ring Protect Pro」と連携することで、自律的にパトロールや調査をしたり、カメラの映像をクラウドにストリーミングするといった機能も提供される。

 深夜にガラスが割られる音を聞いて、自分でゴルフクラブを片手に状況を確認に行くのはリスクが大きい。説明動画の中ではアライグマとの鉢合わせで表現されているが、現実には銃を持ったガチ強盗と鉢合わせすることになる。それを小さなロボットが代わってくれるというわけである。

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侵入者とも対面してくれる

 こうした機能を、大手セキュリティ会社ではなくAmazonが自社サービス提供するということは、それだけ巨大なニーズが存在するということである。裏を返せば、アメリカの一般家庭では常に他者からの侵入を警戒する必要があることの現れでもある。これは、日本の水準からはなかなか想像が難しいところだ。

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