Google、検索やマップにSDGs(持続可能な開発目標)な新機能
Googleは、ユーザーの持続可能な選択をより簡単にするための複数の新機能を発表した。「気候変動」の検索結果に高品質な情報を表示したり、マップで燃料効率のいいルートを提案したりする。
米Googleは10月5日(現地時間)、「Googleの持続可能性──毎日をより持続可能なものにするために」と題するオンラインイベント動画を公開し、Googleマップ、検索、NestなどでSDGs(持続可能な開発目標)に貢献する複数の新機能を発表した。
Google検索で「気候変動」の検索結果に“高品質の関連情報”
Google検索で「climate change(気候変動)」を検索すると、“高品質の気候関連情報”を備えた情報を表示するようになる。「国連などのソースからの信頼できる情報」という。
米国のユーザー向けには、自動車のモデルやメーカーを検索すると、ハイブリッド車や電気自動車を優先的に表示するようになる。特定の電気自動車を検索すると、そのモデルを充電できる最寄りのステーションも表示される。この機能は米国で来年初頭までに使えるようになる見込み。
また、米国では、食洗機や乾燥機などの家電製品を検索すると、エネルギー効率の高い製品を提案するようになる。これは米国で即日表示されるようになる。
Googleマップで燃料効率のいいルートを提案
Googleマップで自動車でのルートを検索すると、燃料効率のいいルートを提案する。燃料効率はいいが最速のルートではない場合は、ユーザーが選択できるよう両方提示する。この機能は米国では同日から、欧州では2022年から利用可能になる。
自転車でのルート検索では「lite navigation」機能を追加する。Googleマップのナビ画面を常時表示しなくても、ルートのポイントになる地点の情報だけを画面に表示する機能。進行状況やルートの標高などの情報も表示される。この機能は無効数カ月中に自転車ナビが有効な地域でAndroidとiOSのアプリでロールアウトする。
Googleフライトの検索結果に二酸化炭素排出量比較
「Googleフライト」で航空便を検索すると、各フライトの二酸化炭素排出量が表示されるようになった。直行便を選ぶ方が排出量が少なく、ランクをビジネスやファーストクラスではなくエコノミーにした方が少ない。これは、エコノミーの方がスペースが狭い分排出量に占める割合が小さいということだ。
AI利用の信号機効率化の取り組みを世界中で
Googleは現在、イスラエルで信号機の効率を最適化するための研究を実施している。このAI採用の研究を世界に拡大していく計画も発表した。
イスラエルではこれまでのところ、交差点での燃料消費量と遅延時間が10〜20%削減されているという。
Nestサーモスタット
Nestサーモスタット(日本では未発売)のユーザーが、利用可能な再生可能エネルギーが多い時間に、空調を自動的にシフトする新機能「Nest Renew」を向こう数週間中にロールアウトする。これにより、ピーク受容時の電力網への負担を軽減できるとしている。
Googleは、これらの取り組みの目標は、持続可能な選択をより簡単にすることだと語った。
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