同人マンガをファンが翻訳して収益分配、DLsiteが新サービス オリジナル作品限定
エイシスが「DLsite」で提供する新サービスとして、クリエイターの作品をファンが翻訳し、作品の販売収益を分配できる「みんなで翻訳」を始める。すでにクリエイターの募集を開始しており、11月に翻訳者の募集を、12月に翻訳作品の販売を始める予定。
ゲオ子会社のエイシスは10月5日、同人誌などのダウンロード販売サイト「DLsite」において、クリエイターの作品をファンが翻訳し、作品の販売収益を分配できる「みんなで翻訳」を始めた。同日から利用したいクリエイターの募集を開始。11月に翻訳者の登録受付を、12月に翻訳作品の販売を始める予定。
DLsiteは、クリエイターが同人誌、ゲーム、音声作品などをWeb上でダウンロード販売できるプラットフォーム。新サービスでは、クリエイターが翻訳を許可したオリジナルマンガを、その作品の購入者が英語、韓国語、中国語に訳せる。どの言語に翻訳するかは翻訳者が決める。翻訳後はDLsite側で内容を審査し、基準を満たしていると判断した場合のみ、翻訳作品として販売を認める。
収益の分配率は比率は(1)クリエイター2割・翻訳者8割、(2)クリエイターと翻訳者で半分ずつ、(3)クリエイター8割・翻訳者2割──の中からクリエイターが選択する。翻訳者側が報酬なしでの作業を希望する場合は、クリエイターは全額を受け取れる。
「増え続ける海外からのアクセスに対応し、独自の翻訳済み作品を増やすことが目的」(エイシス)として、クリエイターに対して作品の独占翻訳権の付与を求める。ただしクリエイターは翻訳作品の販売を停止することで、90日後に独占翻訳権の付与を解除できる。
翻訳作品の著作権もエイシスに帰属するが、作品の販売や宣伝、海賊版サイトへの削除申請以外の用途では、クリエイターの許可なく権利を行使しないとしている。
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