大人のボールペンは300円台で 低重心・スタビライザー機構を備えた三菱鉛筆「ユニボールワンF」の凄さ:分かりにくいけれど面白いモノたち(1/5 ページ)
100円のボールペンに飽き足りない、高機能な使い心地を求めるユーザーが増えているという。そんな中投入された330円の製品がすごいのだ。
もはや、日本のメーカーのボールペンは、機能においては文句なしに世界一だと言っていいレベルに達している。
150円で買える三菱鉛筆の「ジェットストリーム」や、パイロットの「アクロボール」といった低粘度油性ボールペンの滑らかな書き味、110円で買えるゼブラの「サラサクリップ」や220円で買えるぺんてるの「エナージェル」などの、ゲルインクボールペンの発色の良さなど、なぜそんなに安価でその機能の製品を作れるのか不思議に思えるくらいの、物凄いコストパフォーマンスなのだ。
しかも、少し前は、ボールペンは100円以下で買えるのが普通で、ジェットストリームを150円で発売するのに当たって、三菱鉛筆は、150円もするボールペンは市場に受け入れられないかもしれないと考えていたというのだから驚く。
その三菱鉛筆が2020年2月に発売した、ゲルインクボールペン「ユニボールワン」は、税込132円という低価格ながら、白に統一されたシンプルで使いやすいデザインの軸と、黒い紙に書いても読めるほどの、濃く鮮やかな発色のインクで大ヒット商品となった。
三菱鉛筆はもともとシグノ・シリーズなどの優秀なゲルインクボールペンを多く発表していて、私はずっと「シグノRT1」という製品を愛用しているのだが、「ユニボールワン」は、それら従来のゲルインクボールペンの4倍の売れ行きを示しているのだそうだ。
そのユニボールワンの上位版というか、替え芯はそのままに、軸のデザインと仕様を変えて、高級感と使い勝手の向上を図った製品が、2021年9月に発売された「ユニボールワンF」。1本330円(税込)という、日常使いのボールペンとしては珍しい、しかし、もしかすると今後主流の1つになっていくかもしれない価格帯での発売だ。
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