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大人のボールペンは300円台で 低重心・スタビライザー機構を備えた三菱鉛筆「ユニボールワンF」の凄さ:分かりにくいけれど面白いモノたち(3/5 ページ)
100円のボールペンに飽き足りない、高機能な使い心地を求めるユーザーが増えているという。そんな中投入された330円の製品がすごいのだ。
ユニボールワンFの口金も金属製で、一見、通常の低重心ペンと同じような見た目なのだけど、それにしては、この口金が小さい。実は、この口金の金属パーツはパイプ状になっていて、軸の中にまで続いているのだ。金属パーツは5cm以上に及び、口金だけでなく、ペンの握る部分のさらにその上にまで達している。このパーツを使って、重さをペン先だけではなく、ペンの前方全体に行き渡らせているわけだ。そういう構造だから、重心の位置も精密に決定できるし、手にした時のペン自体の重さもコントロールできる。
そして、三菱鉛筆が仕上げたのは、筆記姿勢で握った時の手の中のやや前方に重心が来るという構造。とはいえ、金属パーツ部分が大体手の中に収まるので、ペン先はとても軽く動く。多分、私が求めていた「低重心」は、こういうものだったのだと、とても納得できる仕上がり。重心位置だけでなく、ペン自体の重さをどのくらいにするかなども、試作品を使って、実際に、スタッフに使ってもらいながら決めていったという。
面白いのは、製作スタッフだけでなく、普段、それほど意識してボールペンを使っていない社員の方々にも協力してもらったという点。これは、日用品の製作にはかなり重要なことで、マニアは詳細に細部を検討できるけれど、一般ユーザーの感覚とは違っていることに気が付きにくいとか、視点そのものが最初から違うことがあるのだ。マニア、一般ユーザーの両方の視点を合わせて作っているということだけでも、この製品の信頼度は上がる。
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