FacebookやInstagramの広告ターゲティングオプション、健康、人種や政治的傾向は削除に
Meta(旧Facebook)は、FacebookやInstagramなどのサービスの広告ターゲティングで、「デリケートと見なされるオプション」を削除すると発表した。人種や民族、宗教的見解、政治的信念、性的指向、健康などに関連するものだ。2022年1月19日から実施する。
米Meta(旧Facebook)は11月9日(現地時間)、人種や民族、宗教的見解、政治的信念、性的指向、健康などに関連する広告の詳細ターゲット設定のオプションを削除すると発表した。2022年1月19日以降に実施する。
これらは「人々がデリケートと見なす可能性のあるトピックに関連するオプション」。専門家からこれらのターゲティングオプションは過小評価グループの人々にネガティブな体験をもたらす可能性があると専門家から指摘されたためとしている。
Facebook、Instagram、Messenger、WhatsApp、Audience Networkなど、すべてのサービスに適用する。
Facebookではかつて、ターゲット設定で「嫌ユダヤ」などが可能だったり、人種、性別、年齢などに基づいて求人、住宅、クレジットの広告の対象から除外できるようになっていたりして批判されてきた。
たとえば「同性婚」「LGBT文化」「カトリック教会」「世界糖尿病デー」「化学療法」などの用語が含まれる。
年齢、性別、位置情報などに基づくターゲティングは今後も続ける。
同社に対しては、内部告発者が社内データに基づいて「ユーザーの安全より自社の利益を優先している」と批判し、懸念が高まっている。
同社の直近の業績発表によると、総売上高の97%は広告によるものだ。Metaは「これらの詳細なオプションを削除する決定は用意ではなかった。この変更が一部の企業や組織に悪影響を当てる可能性があることを認識している」としている。
関連記事
- Facebookを米住宅当局が提訴、ターゲティング広告での差別で
米住宅都市開発省が、Facebookの不動産関連広告で広告主が人種や性別で広告を表示するユーザーをターゲティングできる機能は差別に当たり、構成住宅法に違反するとして同社を提訴した。Facebookは既にこの問題への対処を発表済みだ。 - Facebook、広告の差別的ターゲティング裁判で和解
Facebookの広告主が、住宅、求人、クレジット広告のターゲティングで人種、性別、年齢で差別できるのは法律違反だとして提訴されていた裁判で和解した。これらのカテゴリの広告ではそれらのターゲティングができなくなった。 - Facebook、社会を分断するような問題広告に認可制度、ページの“身元確認”も 選挙介入対策で
Facebookが、ロシアによる米大統領選への介入のような問題の再発防止対策の一環として、社会を分断するような問題広告(issue ads)の広告審査を厳しくし、問題広告ラベルと広告主情報の明示を義務付ける。また、フォロワーの多いページの審査を6月から実施する。 - Facebook、「嫌ユダヤ」ターゲティング広告問題対処でポリシーおよび人力監視強化を約束
Facebookのターゲティング広告ツールで「ユダヤ人嫌い」などのキーワードを設定できてしまった問題について、自らもユダヤ人であるシェリル・サンドバーグCOOが改善の取り組みについて説明した。 - Facebook、広告での「嫌ユダヤ」など不適切なターゲット設定問題に対処
Facebookが、広告のターゲットとして「ヒットラーは正しい」「嫌ユダヤ」などのキーワードを入力したユーザーを設定できるようになっているとの指摘を受け、問題を解決するまで項目をターゲティングフィールドから削除した。同様の問題はGoogleとTwitterの広告サービスでも指摘されている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.