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「ガバメントクラウド」に国産IaaSが不在だったワケ さくら田中社長に聞く日本ベンダーの課題(3/3 ページ)

日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」。海外IaaSのみを採択したデジタル庁に対し「日本の産業を育成しないのか」といった声も出ている。なぜ国産IaaSはガバメントクラウドになれなかったのか、さくらインターネットの田中邦裕社長に見解を聞く。

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敵は「AWSとGCP」ではなく「日本の旧来勢力」

 一連の動向をこのように捉えるさくらインターネット。同社のIaaSはガバメントクラウド採択の条件となる政府のセキュリティ評価制度「ISMAP」を取得していないため、10月の公募には応札していない。

 しかし年内にはISMAPを取得できると見込みであることや、デジタル庁が22年度以降にAWS・GCPを含め、これまでと同様の基準で改めて事業者を選定することから、今後はガバメントクラウド入りを目指す方針だ。

 ただし主要な基盤としてではなく、局所的な利用を見込んだ戦略を検討している。例えば「GPUの性能を提供するサービスやCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク:複数サーバでコンテンツを配信する技術)だけはさくらに」「政府のシステム基盤はAWSやGCPだが、地方自治体はさくらに」といった使われ方を見込むという。

 「AWSやGCPと正面切って戦うのは不可能だが、全リソースの1〜2割がさくらのクラウド上で動く、というのは難しい話ではない。AWSとGCPが敵というよりは、古いITベンダーなど日本の旧来勢力が敵、という捉え方をしている」

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